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走り続けて不惑の年へ 40歳を迎えた関東大手私鉄のベテラン通勤電車たち

2023年8月11日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

現役最後の3扉車 西武101系

西武鉄道には、40歳を超える形式としてもうひとつ、101系が在籍しています。1969年から製造された通勤型車両で、現在残るのは「新101系」と呼ばれる、先頭部のデザインを一新したグループです。

新101系としての製造初年は1979年で、2000系のトップナンバーよりも後のこと。車体は20メートル3扉で、当時の西武における標準スタイルが採用されています。

新101系のデビュー当初の塗装(近年復刻されたもの)
新101系のデビュー当初の塗装(近年復刻されたもの)

車体のカラーは当初レモンイエロー+ベージュ系のツートンで、のちに黄色1色に先頭部の窓回りが黒という、新2000系などに近い塗り分けに変更されました。

その後、後継車両の登場により、新101系は支線区での運用に転じていきます。2010年には白地に四季をラッピングした車両(春夏秋冬の4種類)が登場し、他編成も順次白色に塗り替えられました。

白一色時代の新101系
白一色時代の新101系

また2017年以降、かつての標準色だった「赤電」やデビュー当初のツートン塗装への復刻、西武からの譲渡車が走る伊豆箱根鉄道や近江鉄道の車体色の再現など、カラーバリエーションが大きく増えました。その一方、2020年には白一色の車両が消滅しています。

かつての標準色「赤電」のリバイバル編成
かつての標準色「赤電」のリバイバル編成

2023年の時点では、ワンマン運転対応の4両編成が多摩川線、西武園線、狭山線などで運用されています。ただし、西武園線、狭山線での運用時は車掌が乗務しており、ワンマン機器は使っていません。

現在も黄色一色の姿である263編成は、見た目も中身も変わりダネの存在です。新101系の4両編成では、編成中の2両のみにモーターがついていますが、この編成は4両すべてにモーターを搭載しています。これは、かつて電気機関車が担当していた車両のけん引の役割を、同編成が引き継いだため。普段は一般の旅客運用をこなしますが、必要に応じて新車などのけん引にも運用されています。

車両けん引の役目も持つ263編成(一般の営業運転時の姿)
車両けん引の役目も持つ263編成(一般の営業運転時の姿)

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