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走り続けて不惑の年へ 40歳を迎えた関東大手私鉄のベテラン通勤電車たち

2023年8月11日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

番外編:まもなくデビュー40周年を迎える京王7000系

最後に、まもなく40周年を迎える車両として、京王7000系(1984年製造)をピックアップします。

京王7000系は、京王線用としては初のステンレス車両で、1996年までに190両が製造されました。初期の車両は側面にコルゲートがありましたが、後期の車両はビード仕上げとなっているなど、細かい部分に仕様の違いが見られます。

側面がコルゲート仕様の7000系初期車両
側面がコルゲート仕様の7000系初期車両

最初は5両編成、その後8両編成が製造されましたが、のちに増結、組み替えを行い、2~10両の様々なバリエーションが生まれました。2両編成と4両編成の一部はワンマン運転に対応しており、競馬場線(2両)、動物園線(4両)で使用されています。

動物園線専用のラッピング車両(7801編成)
動物園線専用のラッピング車両(7801編成)

2001年から内装など接客設備の更新、2003年以降は制御装置のVVVFインバータ化(それまでは界磁チョッパ制御)が行われ、2012年に全車両の更新が完了しました。

5000系の投入により一部の編成が廃車になっているものの、現在は160両が在籍。井の頭線以外の全線で、特急から各駅停車までオールマイティーに運用をこなしています。9000系との連結も可能で、異種混結の10両編成で走る姿も見られます。

7000系と9000系との混結運用
7000系と9000系との混結運用

40年オーバー、まもなく40年を合わせ、合計11の形式を取り上げましたが、その多くに共通しているのが、更新工事を受けているということ。なかには内装どころか足回りまで一新し、クラシカルな見た目に反して装備は新車レベルというギャップを感じられる車両もあります。こうして大切に使われ続けることに、車両自身も喜んでいるのではないでしょうか。

しかし、それでも老朽化が隠せなくなり、引退を迎えつつある車両も出ています。こうした現実を見ると、彼らに残された日々は長くないのかもしれません。最後まで安全で穏やかに走れることを願うとともに、少しでも長く活躍が続くことを、いまは願うのみです。

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