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事情さまざま、わずかな製造数で終わってしまった鉄道車両たち 東日本編

2020年5月26日(火) 鉄道コムスタッフ

特急形をも凌駕する一般形車両

札幌圏の函館本線は、小樽駅を境に電化区間と非電化区間が分かれています。このうち、倶知安方面の非電化区間から札幌方面に直通する気動車列車の高性能化を目指し、JR北海道が1997年に営業運転に投入したのが、キハ201系です。

JR北海道のキハ201系
JR北海道のキハ201系

キハ201系の最大の特徴は、電車と気動車の協調運転機能を搭載していることです。動力システムが異なる電車と気動車は、加速も含めた完全な協調運転の実現には、技術的な壁がありました。しかし、JR九州の気動車特急「オランダ村特急」が、1989年より485系の特急「有明」と連結する形で、この協調運転を実現。続くキハ201系は、国内では2例目の、そして一般形車両としては日本初の、電車・気動車動力協調運転を実現した車両として開発されました。

キハ201系では、連結相手の731系に匹敵する性能を確保するため、機器類は高性能なものが揃えられました。特急用のキハ281系やキハ283系が355馬力のエンジンを1両に2基搭載しているのに対し、キハ201系では450馬力のものを1両に2基搭載。1両あたりの機関出力は、それまでの特急型車両以上のものとなりました。また、変速機も変速1段・直結4段という高速志向のものを搭載。731系と同じ、設計最高時速130キロというスペックを叩き出しました。

さらに、曲線通過速度の向上を目指し、キハ201系では車体傾斜機能も搭載しました。この高出力機関や車体傾斜機能といった技術は、後に特急「スーパー宗谷」(当時)用に開発される、キハ261系0番台に受け継がれています。

とはいえ、これほどの性能を備えた代償の高価さ故か、キハ201系の製造数はも3両編成4本の計12両と、少数に留まってしまいました。現在では日本で唯一の電車・気動車協調運転機能を活かす場面も、朝に運転される倶知安発札幌経由苫小牧行きの1本のうち、小樽~札幌間で731系と連結するのみ。小樽以遠の非電化区間の運用も、協調運転列車を含めた4本のみで、日中時間帯は電化区間での運用に就いています。

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