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事情さまざま、わずかな製造数で終わってしまった鉄道車両たち 東日本編

2020年5月26日(火) 鉄道コムスタッフ

世界初のハイブリッド車両

自動車業界では普及が進んでいるハイブリッド車ですが、鉄道業界でも、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」や、JR九州のYC1系など、採用例が増えつつあります。これらハイブリッド式鉄道車両として、世界で初めて営業運転に投入されたのが、JR東日本のキハE200形です。

世界初の営業用ハイブリッド鉄道車両として登場した、キハE200形
世界初の営業用ハイブリッド鉄道車両として登場した、キハE200形

ハイブリッド式の鉄道車両とは、エンジンを回して発電し、蓄電池を充電。発電した電力と充電した電力でモーターを回す、という方式のものです。従来型の気動車よりも重量がかさみシステムも複雑になりますが、従来型よりも環境性能を向上させることができます。また、モーターなどの走行機器を電車と共通化できるために、メンテナンスコストの削減が図れるというメリットもあります。

JR東日本では、試験用車両のキヤE991形「NEトレイン」でハイブリッド式車両の試験を開始し、その成果を活かして2007年にキハE200形の量産先行車3両を製造。同年に小海線での営業運転を始めました。

JR東日本のハイブリッド式車両は、2010年に「リゾートビューふるさと」「リゾートしらかみ」などのHB-E300系、2015年に仙石東北ライン用のHB-E210系がそれぞれ導入されており、同社における新世代の方式として成功したと言えます。一方で、小海線のキハE200系の製造は、結局は量産先行車の3両のみに留まってしまいました。

余談ですが、HB-E300系以降にJR東日本が導入した新世代の非電化区間用車両は、ハイブリッド車を表す「HB-E〇〇系」、蓄電池搭載車を表す「EV-E〇〇系」など、新たな附番方法となっています、そのため、同社で気動車を表す「キハ」を名乗ったハイブリッド車は、現時点ではキハE200形が唯一となっています。

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