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岡山エリアの新型車両227系 「黄色一色」脱却の理由をJR西日本に聞く

2022年6月10日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基 井上拓己

JR西日本では、岡山・備後エリアへ2023年度に227系を導入します。227系は、2015年に広島エリアでデビューした車両。2019年以降は和歌山エリアでも活躍しており、今回の岡山・備後エリア向けは3例目の導入です。

岡山・備後エリア向けの227系(イメージ)
岡山・備後エリア向けの227系(イメージ)

岡山エリアや広島エリアの国鉄型電車は、2009年以降、単色の「地域色」である濃黄色一色に塗装されていました。これは、さまざまな車両の塗装を統一し、地域住民に親しみを持ってもらうことを目的に掲げていましたが、実際には、単色化による塗装工程の削減やコスト削減といった要素もありました。

この地域色は、他エリアでも色を変えて広がっていきましたが、特に岡山・広島エリアについては、車体色の「真っ黄色」をもじった「末期色」などと、ネット上で揶揄されていました。

「末期色」とも揶揄されてきた、岡山・広島エリアの115系
「末期色」とも揶揄されてきた、岡山・広島エリアの115系

そんな単色車両が多数活躍する岡山・備後エリアですが、今回の227系導入に際しては、岡山支社でデザインコンセプトが定められるなど、大きく力を入れる様子が見られました。

かつてと方針を大きく転換したように見える、今回の227系の導入。その狙いを、今回の227系のデザインを担当した、JR西日本岡山支社企画課の川田由夏さんに聞きました。

約20年ぶりの新型車両導入

――まず、岡山・備後エリア向け227系の特徴について教えてください。

今回導入する車両では、全てのお客様が快適に利用していただけるよう、快適性を追求しました。車いすスペースやバリアフリートイレ、ドアの上に設置する案内表示器といった装備を導入することで、現行の車両よりも利用しやすい車両を目指します。

デザイン策定については、営業、輸送、施設、電気など、社内のさまざまな部署に勤める社員によってワークショップを形成し、岡山・備後エリアの特徴を持ち寄って、コンセプトを決めていきました。その結果、「豊穏ほうおんいろどり」というコンセプトを定め、岡山の桃、福山のバラ、尾道の桜など、沿線を象徴するピンク色をシンボルカラーとしたデザインとなりました。

デザインコンセプト「豊穏の彩」
デザインコンセプト「豊穏の彩」

また、今回導入する車両は、地域に愛され、地域の顔となることを願っています。そのため、利用者のみなさまから愛称を募集し、岡山・備後エリアのみなさまに、この車両を愛してもらい、親しみを持って呼んでもらいたいと考えています。

――岡山・備後エリアに新型車両が入るのは、一部を除くと国鉄時代以来でしょうか。

前回岡山エリアに新型車両が入ったのは、約20年前の2003年です。こちらは瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」で使用する223系ですので、山陽本線などへの導入は国鉄時代以来となります。

お客様にとっては待望の新型車両となるかと思いますが、私たちにとっても待望の新型車両。岡山支社全体が、新型車両導入に向けて盛り上がっていると感じています。

――車内のイメージ画像を見ると、大阪環状線の323系のように、扉付近のスペースが大きく取られています。

これは、乗降をスムーズにするためのものです。現行の115系は、岡山エリアでは出入口付近が混雑する状況となっています。このエリアの特徴を鑑み、乗降のしやすさに配慮しました。

扉付近のスペースが大きく取られた車内(イメージ)
扉付近のスペースが大きく取られた車内(イメージ)

――デザインコンセプトでは、かつての117系「サンライナー」も、カラーデザイン引用元の一つに掲げられていました。

これは、ワークショップメンバーで話し合った際、「『サンライナー』を継承したい」「黄色の列車を継承したい」といった声が挙がったためです。

この「サンライナー」塗装の117系は既になく、「サンライナー」という快速列車も2022年3月のダイヤ改正で廃止となりましたが、私たちも好きな列車だったため、このような形で盛り込みました。

カラーの引用元に挙げられた「サンライナー」の117系
カラーの引用元に挙げられた「サンライナー」の117系

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