SL「C11-325」が東武鉄道にやってきた! 北斗星カラーのディーゼル機関車も登場

2020年8月1日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

東武鉄道は7月31日、SL「大樹」に使用するために真岡鐵道より譲受した蒸気機関車、C11形325号機を、南栗橋の車両基地に搬入しました。

東武鉄道の車両基地に搬入されたC11形325号機
東武鉄道の車両基地に搬入されたC11形325号機

真岡鐵道からやってきたC11形

C11形325号機は、ローカル線列車のけん引用や入換用として、国鉄が運用していた蒸気機関車です。現役引退後は新潟県水原町(現在の阿賀野市)に保存されていましたが、真岡鐵道がこれを譲受。1998年に動態保存運転を開始し、1994年より動態保存運転を行っていたC12形66号機と共に、真岡鐵道のSL列車「SLもおか号」で活躍していました。

真岡鐵道で活躍していた当時のC11形325号機
真岡鐵道で活躍していた当時のC11形325号機

しかしながら、真岡鐵道でのSL2両体制は負担が大きく、C11形325号機は同社での運行を終えることに。真岡鐵道での活躍は、2019年12月をもって終えることとなりました。

一方、SL大樹を運行している東武鉄道では、同列車の人気が高まる一方で、SLの検査時にはディーゼル機関車でのけん引、あるいは列車の運休という事態が発生するため、新たなSLの取得を目指していました。そこで東武鉄道は、2019年3月に入札の公告がなされたC11形325号機について応札。同社が2番目にSL大樹へ投入するSLとなったのです。

C11形325号機の側面
C11形325号機の側面

真岡鐵道での運用を終えたC11形325号機は、2019年12月にJR東日本の大宮総合車両センターに入場しました。ここで検査を受けた同車は、2020年7月30日に出場。翌31日に、東武鉄道の南栗橋車両管区へ搬入されました。

C11形325号機の前面
C11形325号機の前面

東武鉄道に譲受されたC11形325号機は、搬入時点では真岡鐵道で活躍していた当時の状態をほぼ保っています。今後、東武鉄道仕様の保安装置搭載など、SL大樹での運行に向けた準備が進められます。

検査表記と保安装置表記の位置は、真岡鐵道時代よりも下になりました。上部にうっすらと過去の表記の痕が見えます
検査表記と保安装置表記の位置は、真岡鐵道時代よりも下になりました。上部にうっすらと過去の表記の痕が見えます
輸送に際し、ロッドの取り外しや部品の固定といった措置が取られていました
輸送に際し、ロッドの取り外しや部品の固定といった措置が取られていました
窓ガラスに貼られた甲種輸送用の表記
窓ガラスに貼られた甲種輸送用の表記

「北斗星」塗装をまとうDE10形

C11形325号機の搬入作業とともに、今後SL大樹などで活躍するディーゼル機関車のDE10形1109号機と、新たに整備した客車のスハフ14-501も公開されました。

SL大樹はSLけん引列車ですが、勾配への対応や万が一のSL故障時の救援のため、編成後尾にディーゼル機関車が連結されています。東武鉄道ではSL大樹のデビュー時に、DE10形1099号機をJR東日本より譲受していましたが、SLの増車にあわせてディーゼル機関車も増備する必要があり、新たにJR東日本よりDE10形1109号機を譲受しました。

DE10形1109号機は、C11形と同様に、ローカル線での運用や入換用として開発された、DE10形のひとつ。1971年の落成より東北地方で活躍しており、2019年にJR東日本の車両から除籍されました。

C11形325号機とあわせて導入されたDE10形1109号機
C11形325号機とあわせて導入されたDE10形1109号機

先に導入された1099号機は、朱色の国鉄色を纏って活躍しています。一方、今回導入された1109号機は、かつてJR北海道が寝台特急「北斗星」や急行「はまなす」のけん引用に保有していたDD51形を模した、青色に金帯、流星マーク入りという塗装となりました。

かつて「北斗星」や「はまなす」をけん引したJR北海道のDD51形をイメージし、青色に金帯・流星マーク入りの塗装となっています
かつて「北斗星」や「はまなす」をけん引したJR北海道のDD51形をイメージし、青色に金帯・流星マーク入りの塗装となっています

なお、塗装の違いが目に付く1109号機ですが、1099号機との比較では他にも、旋回窓の有無(1109号機は旋回窓)、タブレットキャッチャーの有無(1109号機は未搭載)、JR用保安装置の違い(1109号機はATS-Ps、1099号機はATS-P・ATS-Sn)などの個体差が見られました。

SL大樹の運行開始時に導入された1099号機
SL大樹の運行開始時に導入された1099号機

東武鉄道の担当者は、「かつて北海道で活躍した車両をイメージする塗装とすることで、SL大樹に乗車した人が北海道へ旅行する、あるいは北海道からSL大樹に乗りに来る、といった相乗効果を狙った面もある」と説明しました。東武鉄道とJR北海道では、車両の点検整備などで協力関係にあるといい、今後も営業面を含めた関係強化を進めていきたいとしています。

北海道仕様の14系が復活

スハフ14-501は、14系座席車の北海道仕様の車両です。2016年3月までは、札幌~青森間の急行「はまなす」の自由席車両として使用されていました。2017年に東武鉄道へ譲受されていましたが、当初は営業運転に用いられることなく、南栗橋車両管区での留置が続いていました。今回のSL増車にあわせて、このスハフ14-501も整備。搬入から約3年間のブランクを経て復活することとなりました。

C11形325号機の導入にあわせて整備されたスハフ14-501
C11形325号機の導入にあわせて整備されたスハフ14-501

SL大樹の運用開始時に投入された14系は、暖地用車両のため、客用扉は折戸となっています。一方、今回整備されたスハフ14-501は、寒冷地対応のために客用扉は引き戸。暖房用の配管も増設されているため、既存の14系とは前面の表情が異なります。

北海道仕様車であるスハフ14-501。前面左側には暖房用配管が車体に付けられており、既存の14系とは印象が異なります
北海道仕様車であるスハフ14-501。前面左側には暖房用配管が車体に付けられており、既存の14系とは印象が異なります

今回導入された車両のうち、DE10形1109号機とスハフ14-501は、8月に運用を開始する予定。SLけん引のSL大樹、ディーゼル機関車けん引のDL大樹をあわせ、1日4往復で運転されることとなります。

C11形325号機は、今後東武線での運行に必要な整備を受けた後、12月に運用を開始する予定です。同車の運用が始まると、既存のC11形207号機とあわせ、SLの2本体制が整います。

通常時は4往復すべてをSL大樹として運転することが可能となるほか、SLの検査時や故障時にも、SL列車が走らない事態を避けることができるようになるといいます。また、他線区でのイベント運転といったことも、将来的には検討可能になるとしています。

新たにSL大樹で活躍するC11形325号機(右)とDE10形1109号機(左)
新たにSL大樹で活躍するC11形325号機(右)とDE10形1109号機(左)

なお、東武鉄道では、2018年に日本保存鉄道協会から譲受した蒸気機関車1両の復元作業を進めています。こちらの車両は、当初は2020年冬に復元作業を完了する予定でしたが、作業が長引いているなどの理由により、完了予定が2021年に延期となっています。

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