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30年前の鉄道

初代AE形、183系、オハフ50が現役だった頃~平成2年の鉄道風景(関東・東北編)

2020年5月20日(水) 鉄道コムスタッフ 冨田行一

今となっては走行シーンを見ることのできない車両の数々。今から30年前の1990年は、京成電鉄の初代AE形電車、小田急電鉄の3000形「SSE」など、関東大手私鉄で一世を風靡した車両がなお現役で、当たり前のように走っていました。

30年前(平成2年)を振り返るシリーズ。今回は主に関東、東北の鉄道風景を、車両を中心にご紹介します。

「新塗装」の初代AE形による初詣臨時列車(元日、京成成田駅にて撮影)。AE形は1993年に引退となりました。後継のAE100形が登場したのも1990年のことです
「新塗装」の初代AE形による初詣臨時列車(元日、京成成田駅にて撮影)。AE形は1993年に引退となりました。後継のAE100形が登場したのも1990年のことです
3000形「あさぎり」1号で、新宿→御殿場間を乗車(1990年9月、御殿場駅にて撮影)。3000形はその後、1992年3月に運転を終えました
3000形「あさぎり」1号で、新宿→御殿場間を乗車(1990年9月、御殿場駅にて撮影)。3000形はその後、1992年3月に運転を終えました

JR東日本では、「スーパービュー踊り子」用の251系が同年4月にデビューした一方、国鉄時代からの特急形電車も花盛り。「あずさ」用の183系は、グレードアップ改造などを経て、中央本線で引き続き活躍中でした。

183系「あずさ」26号。松本駅15時42分発で、終点の新宿までの所要時間は約3時間でした
183系「あずさ」26号。松本駅15時42分発で、終点の新宿までの所要時間は約3時間でした

一般形車両で特筆されるのは、旧型国電車両のクモハ12形が鶴見線で活躍していたことが挙げられます。その後、同車両は1996年3月に引退。原型のモハ31形からの年数は実に60年以上に及びます。よくぞ走り続けたものだと思います。

会津鉄道では、同年10月の会津高原(当時)~会津田島間の電化を控えた中、夏の行楽シーズンは気動車が全面的に運行。筆者は7月最終日に会津高原駅から会津若松駅まで全線を乗車しました。この時に乗ったのはAT-200形。イベント用車両ということもあり、楽しく快適な旅だったのを覚えています。

国道駅を鶴見駅に向け発車するクモハ12053。旧型ならではの存在感を感じます(1990年9月撮影)
国道駅を鶴見駅に向け発車するクモハ12053。旧型ならではの存在感を感じます(1990年9月撮影)
会津高原駅に停車中のAT-200形。当時は「アルペンライナー」で主に運用されていました。同形式は2両固定の1編成のみで、2004年に引退しました
会津高原駅に停車中のAT-200形。当時は「アルペンライナー」で主に運用されていました。同形式は2両固定の1編成のみで、2004年に引退しました
会津鉄道を旅した日は、写真の快速列車で下今市~会津高原間を移動。この時の快速は会津田島駅まではまだ直通していませんでした。奥には東武の1720系「けごん」が見えます
会津鉄道を旅した日は、写真の快速列車で下今市~会津高原間を移動。この時の快速は会津田島駅まではまだ直通していませんでした。奥には東武の1720系「けごん」が見えます

ここに挙げた車両形式は、保存車両を見ることができるものも一部ありますが、走る姿はいずれも過去の話。現役だった際に乗車できたのは実に貴重な体験だったと今改めて感じます。

懐かしの車両2選

形式としてはまだ存続していても、すっかり懐かしい感じになっている車両もあります。常磐線では国鉄末期に登場した415系1500番台が中距離電車の顔として走り、当時は上野~土浦間などでおなじみでした。

江ノ島電鉄では、レトロな趣の300形が1990年も堂々健在。同年4月に運転を始めた2000形との新旧横並びといったシーンを見ることができました。

上野駅停車中の常磐線415系。JR東日本の415系は2017年11月には全車両が廃車され、形式消滅となりました。1500番台は、JR九州ではなお現役です
上野駅停車中の常磐線415系。JR東日本の415系は2017年11月には全車両が廃車され、形式消滅となりました。1500番台は、JR九州ではなお現役です
江ノ島駅で並ぶ2000形(左)と300形(右)(1990年8月撮影)。写真の304号車は2005年に引退。同形式は2両1編成(305-355号車)が今でも運転を続けています
江ノ島駅で並ぶ2000形(左)と300形(右)(1990年8月撮影)。写真の304号車は2005年に引退。同形式は2両1編成(305-355号車)が今でも運転を続けています
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