鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

鉄道写真のデキが「ちょっと良くなる」3つのポイント

2024年3月31日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ものすごい機材を使うプロカメラマンから、スマホで撮るライト層まで。鉄道写真を撮影する方は幅広いです。しかし、その作品の出来を左右するのは、機材なのでしょうか?そうとは限りません。

鉄道写真のデキが「ちょっと良くなる」3つのポイントとは?
鉄道写真のデキが「ちょっと良くなる」3つのポイントとは?

どんなカメラでもいいんです!2000円弱で買える「写ルンです」でも、腕がある人ならば素晴らしい作品が撮れます。一方で、80万円もする最高級カメラがあっても、カメラが勝手に写真を撮ってくれるわけではなく、素人がいきなりプロカメラマンのような芸術的な作品を撮れる可能性は、ゼロとは言いませんが、ほぼありません。

つまりは、撮影者の知識と、それによって生まれるセンスも、写真の出来栄えを左右する重要なポイントなのです。もちろん、光線状態や背景、影の位置など、気になるものはいくらでもありますが、初心者のうちは、まずは構図から。ちょっとしたことだけを覚えておくだけでも、写真の出来が変わってきます。鉄道写真初心者の方に覚えてもらいたい3つのポイント、さっそくご紹介していきましょう。

左右の空間を意識しよう

鉄道写真のうち、特に編成写真を撮影する際は、左右の余白を均等にすることを心がけてみましょう。左右の空間の幅に大きな差があると、間の抜けたような違和感が生まれてしまいます。

フレーム一杯に列車をおさめた編成写真(右下)。左上よりも収まりが良くなっています
フレーム一杯に列車をおさめた編成写真(右下)。左上よりも収まりが良くなっています

撮影時に失敗してしまったら、撮影後に画像を切り取ってスペースを調節する「クロップ」を活用するのも手です。上手い人の中には「構図なぞ一発で決めろ」という意見を持つ人もいますが、初心者なら問題なし! とにかく練習(撮影)、復習(ダメならばクロップして構図を学習)が、上達への第一歩です。

ホームで撮るときは高さを変えてみよう

反対側のホームから電車を撮る際、立って撮影する方もいるかと思いますが、ここで視点を変える、つまりカメラの高さを変えてみると、少し雰囲気が変わります。

ホームで立って撮影した写真(左上)と、膝をついて撮影した写真(右下)。特に右のE653系の迫力が変わります
ホームで立って撮影した写真(左上)と、膝をついて撮影した写真(右下)。特に右のE653系の迫力が変わります

たとえば、視点を下げたローアングルでの撮影は、被写体の迫力が強調されます。駅だけでなく沿線で撮る際にも、俯瞰気味に撮るか煽り気味に撮るかで雰囲気が変わってくるので、ぜひ試してみてください。

傾きを意識しよう

あえてカメラを傾けて写真を撮る方法もありますが、編成写真のように水平が重要な構図では、傾きがあると少し違和感が生まれてしまいます。フリーハンドで構えると、どうしても力が入る右手側に傾きがちなので、少し意識してみましょう。

カメラの中には「水準器」機能を搭載しているものがあるほか、線路周辺の建物なども基準になります。ただし、架線柱などは必ずしも垂直に立っているわけではないので、注意してください。

撮り鉄というと、バチバチの鉄道ファンを想像しがちですが、近年ではライト層も多く撮影しているといいます。そもそもカメラをあまり構えたことがない方でも、まずはこれら3点を意識すれば、写真のデキが変わってくるはずです。

そして、鉄道写真撮影はルール厳守が第一。いくら良い写真の撮影が目的でも、ルールを破ってしまえば「良い」作品とは言えません。

また、鉄道コムでは、プロカメラマンの助川康史さんによる連載「助川康史の『鉄道写真なんでもゼミナール』」を公開しています。こちらを読めば、あなたの写真が上達すること間違いなし! ぜひご覧ください。

鉄道コムおすすめ情報

画像

東上線に新型車両導入へ

9000系の置き換えに向け、車両の設計を開始。2024年度の東武鉄道鉄道事業設備投資計画で発表。

画像

めでたいでんしゃの「祖先」

7月13日に南海の観光列車「はじまりの『めでたいでんしゃ』」がデビューへ。2000系を改造。

画像

特別仕様車イベント走行

銀座線1000系特別仕様車で実施。車内照明の色味変更や「予備灯」点灯でレトロ感を演出。

画像

西武「2色塗り」復刻

2000系1本を対象に、1961年まで使用のデザインでラッピング。ただし先頭部のみ。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

5月の鉄道イベント一覧

新緑がまぶしい季節となりました。5月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。