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モバイル版の定期券やポイントサービス、新生活で役立つ乗車券の話

2021年4月5日(月) 鉄道コムスタッフ

すぐには買えない! モバイルSuica・PASMOの通学定期券

モバイル版のサービスで通学定期券を購入する場合、通勤定期券とは異なる注意点があります。

まず、モバイルSuicaやモバイルPASMOで購入可能な通学定期券は、大学や専門学校用のみ。小中高生向けの通学定期券は対象外となり、また、学校の実習で大学・専門学校以外へ通う場合に購入する実習生向けの定期券も、モバイル版は非対応です。

モバイル版の通学定期券は、大学や専門学校の通学用のみ(画像:PASMO協議会)
モバイル版の通学定期券は、大学や専門学校の通学用のみ(画像:PASMO協議会)

また、通学証明書の提示が必要なモバイル版の通学定期券では、購入時にも事前手続きが必要です。

モバイルSuicaの場合は、モバイルSuicaのウェブサイトにて事前予約(新幹線通学定期券(FREXパル)では申請)の後、申請書を印刷し、証明書のコピーとあわせ、サポートセンターへ郵送する必要があります。モバイルPASMOも同様に、ウェブサイトにて申請後、申請書や証明書のコピーを郵送する流れとなります。

モバイル版通学定期券の購入には、あらかじめ申請書を郵送する必要があります(画像:PASMO協議会)
モバイル版通学定期券の購入には、あらかじめ申請書を郵送する必要があります(画像:PASMO協議会)

申請書を郵送後、サポートセンターから通知が来ると、いよいよ定期券が購入可能となります。購入はアプリ上で完結しますが、決済手段は本人名義のクレジットカードのみに限られています。

このように、駅で証明書を提示すれば購入可能な磁気券・ICカードの通学定期券と異なり、モバイル版の通学定期券では、購入までに期間が必要です。モバイルSuicaの場合は、申請書提出前の予約登録可能期間を使用開始日の14日前から7日前までと設定。モバイルPASMOでも同様に、ウェブサイトでの申請は利用開始日の10日前まで、申請書などの郵送は7日前までと定めています。

なお、この手続きが必要なのは、年度初めにアプリから通学定期券を購入する場合のみ。年度内の継続購入時には、アプリで購入操作が完結します。

ポイント還元サービス

新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及しており、通勤頻度が減っている方も多い昨今。そのような方々は、定期代の支給がなくなり、出社時には交通系ICカードのチャージ残高を利用しているのではないでしょうか。そんな方々でも恩恵を受けられるポイントサービスを、JR東日本はこの春に開始。JR西日本でも、この春サービスを拡大しました。

両社のサービスは、同一運賃区間の複数回利用でポイントが付与されるというもの。JR東日本では「JRE POINT」が、JR西日本では「ICOCAポイント」が貯まるというもので、前者は3月1日に、後者は2018年に、それぞれスタートしました。

このサービスでは、在来線の同一運賃区間をチャージ残高で月11回以上利用した際、乗車1回ごとに、運賃の10%相当のポイントが付与されます。また、JR東日本のサービスでは、10回目の利用時点で、運賃1回分相当のポイントが付与されます。

JR東日本のサービスのイメージ(画像:JR東日本)
JR東日本のサービスのイメージ(画像:JR東日本)

同一運賃区間とは、東京~赤羽間や東京~蒲田間(ともにIC運賃220円)など、別区間でも運賃が同じ区間のこと。従来の回数券の場合は、東京~赤羽間の回数券で東京~蒲田間を利用することはできませんでしたが、こちらのポイントサービスの場合は、運賃が同一であれば従来よりも実質的な割引を得るチャンスが生まれます。

一方、このサービスでは同一運賃区間の利用が必要です。そのため、東京~赤羽間(IC運賃220円)、東京~上野間(IC運賃157円)といったように、経路が重複していても運賃が異なる場合には、ポイント還元の対象とはなりません。従来の回数券では、区間外へ乗り越した場合でも精算すれば(打ち切り計算となるため、実質的な割引額はともかく)割引済みの券を利用することができましたが、こちらのポイントサービスでは計算対象外となるため、従来よりも割引パターンが制限される可能性もあります。

なお、JR西日本では、10月1日にこのサービスのポイント積算率を15%へと変更する予定。その一方で、同社のICOCAサービスエリア管内においては、一部例外を除き、回数券の発売を終了することを発表しています。

JR東日本ではこれに加え、Suica通勤定期券利用者向けの「オフピークポイントサービス」を、3月15日にスタート。これは、平日に利用者が集中する時間帯の前後に改札口を通過することで、JR東日本グループの「JRE POINT」が付与されるサービスです。たとえば、中央線の八王子駅では、6:35~8:05をピーク時間帯に設定。このピーク時前1時間の入場で1日15ポイント、ピーク時後1時間の入場で1日20ポイントが付与されます。

また、JR西日本でも、オフピーク利用でポイントを付与するサービス「ICOCAでジサポ」を、4月1日にスタートしました。平日の朝にICOCA定期券で入場し、9:15~10:30に対象着駅を出場すると、1日20ポイントの「ICOCAポイント」が付与されます。

このほかJR西日本では、平日の日中や休日の利用でポイントを付与するサービスを、2018年より実施しています。こちらはチャージ分での利用が対象となるもの。1か月の間、オフピーク時間内にあらかじめ定められた区間を利用する際、4回目以降の利用1回ごとに、運賃の50%(大阪~京都間など)または30%(大阪~高槻間など)のポイントが貯まります。こちらのオフピーク時間帯は、平日の10時~17時と、土休日(年末年始を含む)の終日となっています。

JR東日本の複数回利用サービスは、JRE POINTの登録とSuicaの紐付けが完了していれば、自動で適用されます。同社のオフピークポイントサービスは、事前にウェブサイトでの登録が必要。JR西日本の両サービスは、駅の自動券売機やウェブサイトで登録が必要となっています。

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