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都市部から地方私鉄に再就職 さまざまな譲渡車両たち

2020年4月28日(火) 鉄道コムスタッフ

新型車両の導入によって置き換えられる車両たち。置き換える理由は、車体や機器の老朽化、設備の陳腐化、車両規格の統一などさまざまですが、整備すればまだまだ使用できる車両も数多くあります。

そのような車両の中には、地方の私鉄に譲渡され、中古車両として第二の車両人生を始めるものがあります。

中古車両のメリットとデメリット

中古の鉄道車両を導入する理由として大きなものは、車両価格です。

鉄道車両を新車で導入する場合、価格は1両あたり1億円前後となります。一方、中古車両を導入する場合、価格は新車の半分近くまで下がります。

三重県と岐阜県を走る養老鉄道養老線の設備・車両を管理する養老線管理機構が、2018年に東急からの中古車両15両を導入すると発表した際、事業費は6億1000万円と発表されました。これは車両の輸送や改造も含む金額ですが、1両あたりでは約4000万円。新車の半分以下の価格です。

養老線管理機構に譲渡された東急7700系(画像は東急線時代のもの)
養老線管理機構に譲渡された東急7700系(画像は東急線時代のもの)

大規模投資が必要となる新型車両の投入は、経営状況が厳しい地方の鉄道事業者では困難。老朽化が進む車両の置き換えとしては、新車よりも予算を減らすことができる中古車両は、地方鉄道の救世主とも言える存在です。

長野電鉄の車両たち。同社の現役車両は、すべて譲渡車両となっています
長野電鉄の車両たち。同社の現役車両は、すべて譲渡車両となっています

一方、中古の車両が購入できるかどうかは、そのタイミングに左右されます。クルマのように、常に中古車の在庫を持つ取り扱い業者があるわけではないので、前使用者が車両を手放すタイミングでなければ購入できません。

かつて、静岡県の伊豆急行では、親会社の東京急行電鉄(当時)が保有する8000系を中古車両として導入し、従来車両を置き換えることを想定していました。しかしながら、当時は8000系を廃車するタイミングではなかったため、購入できる時期までのつなぎとして、JR東日本から113系・115系を導入。2000年から2008年まで200系として使用しました。

伊豆急行の8000系。かつて導入を希望した際には東急での廃車予定が無かったため、間を埋める形式が一時期投入されていました
伊豆急行の8000系。かつて導入を希望した際には東急での廃車予定が無かったため、間を埋める形式が一時期投入されていました

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