鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

路面電車にまつわる交通ルールをおさらい 「黄色の矢印信号」の意味は? 「クルマの線路上走行」はOK?

2023年8月22日(火) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

8月27日、宇都宮で新しい路面電車「芳賀・宇都宮ライトレール」が開業します。これまでに路面電車が走っていなかった地域での開業のため、周辺地域のドライバーの皆さんには、これまで使う機会がなかったかもしれない、路面電車にまつわる交通ルールの知識が必要になってきます。

路面電車にまつわるルールは、教習所で必ず習っているはずなので、覚えていなければならないはず。ですが、ここで改めておさらいしてみましょう。

「黄色の矢印信号」の意味は?

クルマの免許を持っていて、「青色の矢印信号」の意味を知らない人はいないでしょう。矢印が示した方向に限り、車両(自動車)は進むことができる、という意味です。

では、「黄色の矢印信号」は、どのような意味でしょうか?これは、矢印が示した方向に向けて、路面電車は進むことができる、という意味。形は似ていますが、赤信号とこの表示の組み合わせとなった場合、クルマは進んではいけません。

「黄色の矢印信号」は、路面電車専用の信号
「黄色の矢印信号」は、路面電車専用の信号

ちなみに、芳賀・宇都宮ライトレールでは、この信号表示に慣れていない人が多いことを想定してか、路面電車用の信号には「電車用」の補助標識が付けられています。

路面電車の線路の上は走っていい?

多くの路面電車では、道路の中心を走ります。では、クルマは路面電車の線路の上を走っていいのでしょうか?

答えはNG。例外を除き、線路上を走ると交通違反になります。例外となるのが、右折や横断などで線路を横切る場合。ほかにも、危険防止のためにやむを得ない場合には、線路上を走っても許されます。

さらに、宇都宮にはありませんが、「軌道敷内通行可」の標識がある区間では、線路上を走行しても問題ありません。ただし、後ろから路面電車が接近してきた場合には、他の車線に移る必要があります。

都電荒川線の王子駅前~飛鳥山間。自動車が線路上を走っていますが、「軌道敷内通行可」標識があるため、問題ありません
都電荒川線の王子駅前~飛鳥山間。自動車が線路上を走っていますが、「軌道敷内通行可」標識があるため、問題ありません

なお、コンクリートやアスファルトで舗装している通常の道路に対し、路面電車のレールは鉄製です。降雨時などには滑りやすくなっているため、線路上を通る際には注意して走行してください。

歩行者保護も忘れずに

路面電車が乗降扱いのために停車している際には、乗降客=歩行者を巻き込む事故を起こさないことが重要です。

路面電車の停留場プラットホームは、道路交通法では「安全地帯」と呼ばれています。ここで路面電車を待っている旅客がいた場合には、クルマは徐行して進まなければいけません。乗降中の路面電車が停車している場合には、路面電車から1.5メートルの間隔をあけて徐行する必要があります。さらに、安全地帯の左側と前後10メートルでは、駐停車が禁止されています。

青地に下向き矢印のような標識が「安全地帯」を示すもの。この付近では、歩行者を保護する必要があります
青地に下向き矢印のような標識が「安全地帯」を示すもの。この付近では、歩行者を保護する必要があります

今では数は少なくなりましたが、この安全地帯がない停留場では、路面電車が乗降中だった場合、車両は手前で停止する必要があります。いずれも、歩行者を保護するために定められている決まりです。

鉄道コムの最新情報を無料でお知らせしますプッシュ通知を受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

700系も順次置き換えへ

500系の引退時期が発表されましたが、700系も順次置き換えられることが明らかになりました。

画像

2027年に500系引退

2027年をめどに運用終了すると発表。N700系の8両短縮編成で置き換えへ。

画像

京都鉄博で「はなあかり」展示

8月30日~9月3日、京都鉄道博物館にて「はなあかり」を展示。8月29日には有料の先行見学会も。

画像

南海7100系復刻塗装

南海7100系の1本が、緑色の復刻塗装に。8月21日に営業運転を開始予定。

画像

「モード」を使いこなそう

カメラの設定は意外と知らずに使っている人も? 上達に不可欠なモード設定について、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

7月の鉄道イベント一覧

いよいよ夏本番、鉄道イベントも多数。7月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。