鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

東北新幹線のかつての最速列車「はやて」、今はどうなった?

2021年11月17日(水) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

現在の東北新幹線では、看板列車の「はやぶさ」以下、「はやて」「やまびこ」「なすの」が運転されています。このうち、「やまびこ」は「はやぶさ」に次ぐ準速達列車や盛岡以南の各駅停車として、「なすの」は東京~那須塩原・郡山間の区間列車として、ともに多数の列車が運転されています。

一方、2002年の東北新幹線八戸開業時に最速達列車として登場した「はやて」は、現在は東京駅を発着する定期列車は未設定。2021年3月改正のダイヤでは、盛岡・新青森~新函館北斗間で上下計4本のみの運転となっています。運転区間が「はやぶさ」と重複し、本数も非常に限られる「はやて」、なぜ今も残存しているのでしょうか。

「はやぶさ」登場前の東北新幹線発車標
「はやぶさ」登場前の東北新幹線発車標

その答えは、列車の運転速度と料金にあります。最高時速320キロで運転する「はやぶさ」は、最高時速275キロの「はやて」「やまびこ」よりも割高な特急料金が設定されています。そのため、かつては最高時速275キロの速達列車は、E5系による運転であっても「はやて」を名乗っていました。

一方、東北新幹線の盛岡以北と北海道新幹線では、路線最高時速は260キロに設定されており、「はやぶさ」の最高速度で運転することはできません。「はやぶさ」の加算料金は、時速320キロ走行ができない東京~大宮間と盛岡~新青森~新函館北斗間には設定されていませんが、この列車名称の使い分けの名残からか、現在でも「はやて」の名称が残存しています。

かつて「はやて」で活躍したE2系
かつて「はやて」で活躍したE2系

なおJR東日本では、2024年にも時速300キロ運転が可能な山形新幹線用車両のE8系を導入する予定です。「つばさ」が全てこの車両へと置き換わり、またE2系も全て引退すると、東北新幹線用車両の全てが時速300キロ超での運転が可能となります。このタイミングで料金制度が見直され、ひいては「はやて」の愛称そのものの動きに繋がるかもしれません。

【11月17日追記:一部表記を訂正しました】

関連鉄道リポート

関連鉄道未来ニュース

鉄道コムおすすめ情報

画像

西武「2色塗り」復刻

2000系1本を対象に、1961年まで使用のデザインでラッピング。ただし先頭部のみ。

画像

特別仕様車イベント走行

銀座線1000系特別仕様車で実施。車内照明の色味変更や「予備灯」点灯でレトロ感を演出。

画像

渋谷駅新駅舎7月開業

渋谷駅南側の新駅舎が、7月21日に一部供用開始。駅南側の「新南改札」が新駅舎に移転。

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。子ども向けのイベントが中心で、今年度は親子限定の事前申込制。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。