ミラーレス一眼と一眼レフの画質差を生む要因
近年、カメラメーカー各社が、特にミラーレス一眼の開発・販売に注力している。その理由は、ミラーレス一眼に大きな発展性があるからだ。様々な発展の可能性の中で、ミラーレス一眼はファインダーに光を導くミラーを無くすことで、シャッターシステム上、一眼レフでは成しえない、更なる「超」高速連続撮影の可能性を秘めている、というのは第1回で述べた通りだ。
だが、ミラーが無くなったことによるメリットはそれだけではない。もう一つの大きな利点として、今回はミラーレス一眼ならではの画質の良さについて説明しよう。
カメラメーカーの広告だけでなく、カメラ雑誌でもミラーレス一眼の画質の良さを説明する記事は多い。だが「ミラーレス一眼も一眼レフも、同じデジタルカメラなのに画質が違うの?」と疑問に思う読者も多いのではないだろうか。
また、「ミラーレス一眼の画質は良いと聞いてはいるが、その理由がよくわからない」という読者も少なからずいるだろう。そこで一つずつその理由を紐解いていこう。
まず結論から入ると、「ミラーレス一眼と一眼レフの画質はどちらが良いか?」と尋ねられれば、私は「ミラーレス一眼の方が画質は良くなる」と答える。
画質の良さはメーカーの求める質や、様々な条件、状況によって大きく違いは出るが、私が「~良くなる」と言ったのは、ミラーレス一眼ならではの構造にある。
そもそも、画質の良し悪しを決めるのは、 「1.光をイメージセンサーに導くレンズの性能」 「2.受けた光を信号化するイメージセンサーの性能」 「3.その信号を映像化する画像処理エンジンの性能」 の3つと私は考える。
そのうち「2.受けた光を信号化するイメージセンサーの性能」「3.その信号を映像化する画像処理エンジンの性能」は今後の新技術の導入などで高性能化が期待できるが、それは一眼レフにも反映できるので、条件としてはほぼ同じである。となると、残ったのが「1.光をイメージセンサーに導くレンズの性能」ということになる。
ミラーが無いことでレンズの描写力が良くなる?
まるでことわざの「風が吹けば桶屋が儲かる」のような言い方だが、「ミラーが無いことでレンズの描写力が良くなる」というのは、表現者である私にとって、ミラーレス一眼の一番のメリットだと感じている。ミラーレス一眼の特徴として「フランジバックが短い」あるいは「ショートフランジバック」という言葉を聞いたことは無