鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

西九州新幹線開業

いよいよ走り出す新幹線「かもめ」のN700S 東海道新幹線とは何が違う?

2022年9月22日(木) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

9月23日、いよいよ西九州新幹線が武雄温泉~長崎間で開業します。この路線を走る車両は、東海道・山陽新幹線でも使われているN700S。JR東海が開発した形式で、これをJR九州がカスタマイズし投入します。

西九州新幹線用のN700S
西九州新幹線用のN700S

オリジナル形式で独自性が発揮された九州新幹線(博多~鹿児島中央間)の800系とは異なり、既存形式のN700Sが採用された「かもめ」。元になった東海道・山陽新幹線用N700Sの面影も見られますが、同じく九州新幹線用のN700系のように控えめなデザインではなく、同社のデザインを多く手掛ける水戸岡鋭治さんらしさが爆発した車両です。

形は似ているけれど、デザインは異なる、西九州新幹線と東海道新幹線のN700S。両車を比較してみました。

西九州新幹線を走る白と赤の新幹線「かもめ」

西九州新幹線「かもめ」用のN700Sは6両編成。東海道新幹線のN700Sと比べると、非常にコンパクトです。番台区分は8000番台。編成記号は「Y」とされ、それぞれY1~Y4の編成番号が付与されています。

6両編成を組む西九州新幹線用のN700S
6両編成を組む西九州新幹線用のN700S
JR東海が保有する16両編成のN700S
JR東海が保有する16両編成のN700S
編成記号は「Y」
編成記号は「Y」

デザインコンセプトは「九州らしいオンリーワンの車両」で、水戸岡鋭治さんらしさが発揮されたもの。外観は、白を基調とした車体に、JR九州のコーポレートカラーである赤を配色。「かもめ」「KAMOME」といったシンボルマークなどのロゴを配置。先頭部の運転席窓や前照灯周りは黒で塗装されています。白地に青帯、床下はグレーというシンプルな東海道新幹線の車両と異なり、JR九州の独自性が多く見られます。

「KAMOME」のロゴ
「KAMOME」のロゴ
JR九州の車両らしく、様々なロゴが至る所に配置されています
JR九州の車両らしく、様々なロゴが至る所に配置されています
先頭部には黒の縁取りが。東海道新幹線用とは印象が異なります
先頭部には黒の縁取りが。東海道新幹線用とは印象が異なります

車体の側面に配される毛筆体の「かもめ」のロゴは、車両デザインが発表された2021年7月当時のJR九州代表取締役社長であった青柳俊彦さん(2022年9月現在は同社代表取締役会長)によるもの。横書きの大きなものと、乗降用ドア横に配する縦書きの小さなものの2種類が用意されています。同社社長による揮毫の列車名ロゴは、2004年の九州新幹線新八代~鹿児島中央間開業時にも800系に「つばめ」とデザインされたものがありましたが、2011年の博多~鹿児島中央間全線開業以降は800系が「つばめ」以外にも使用されることになるため、開業にあわせて撤去されていました。

デザイン発表当時のJR九州社長(現:会長)、青柳俊彦さん揮毫の「かもめ」ロゴ
デザイン発表当時のJR九州社長(現:会長)、青柳俊彦さん揮毫の「かもめ」ロゴ

余談ですが、一部のプレスリリースやウェブサイトなどでは、形式名が表記ゆれで「N700S系」と記載されていることがあります。しかし、JR東海では公式には「N700S」と呼称。JR九州の広報担当者も、JR東海同様に「系」を付けない「N700S」が正しい、としています。

鉄道コムおすすめ情報

画像

めでたいでんしゃの「祖先」

7月13日に南海の観光列車「はじまりの『めでたいでんしゃ』」がデビューへ。2000系を改造。

画像

西武「2色塗り」復刻

2000系1本を対象に、1961年まで使用のデザインでラッピング。ただし先頭部のみ。

画像

特別仕様車イベント走行

銀座線1000系特別仕様車で実施。車内照明の色味変更や「予備灯」点灯でレトロ感を演出。

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。子ども向けのイベントが中心で、今年度は親子限定の事前申込制。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。