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貨物線沿線を歩く

東海道・山陽本線から貨物ターミナルへ 大阪を走る4つの貨物線を見る

2021年7月22日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

鉄道の大きな使命の一つである貨物輸送。東海道本線の東京~大阪間は、東名高速道路や名神自動車道と並ぶ物流の重要な担い手となっており、日夜多くの貨物列車が運転されています。

東海道本線を走る貨物列車
東海道本線を走る貨物列車

東海道本線の貨物拠点駅は、東京側では東京都の東京貨物ターミナル駅がその役割を担っていますが(その他、神奈川県内や埼玉県内にも複数の貨物駅あり)、大阪側では「吹田貨物ターミナル駅」「大阪貨物ターミナル駅」「百済貨物ターミナル駅」「安治川口駅」(その他京都府内や兵庫県内などにも複数の貨物駅あり)と、府内でも複数の貨物駅に分散しています。

その中でも大きな役割を果たしているのが、吹田貨物ターミナル駅。そしてこの駅からは、その他の3駅へと向かう貨物線が延びています。

普段は乗ることはできなくとも、貨物輸送で重要な役割を担う貨物線。今回は、大阪府の貨物線沿線を歩きます。

大阪の貨物の拠点、吹田貨物ターミナル駅

吹田貨物ターミナル駅は、東海道本線の千里丘~吹田間にまたがる位置に設置されている貨物駅。かつては吹田操車場として使われていた場所を整備し、2013年に開業しました。

大阪における貨物の拠点駅、吹田貨物ターミナル駅
大阪における貨物の拠点駅、吹田貨物ターミナル駅

もともと、大阪の貨物ターミナル機能は、大阪駅に隣接した梅田駅(梅田貨物駅)が担っていました。かつて東京側の貨物ターミナルであった汐留駅と同様、都心部の貨物駅として活躍してきた梅田駅。ですが、大阪駅前という一等地の広大な土地であることから、この駅機能を移転し、跡地を売却・再開発することで、国鉄債務の返済に充てる方針が、国鉄分割民営化に前後して策定されました。

吹田貨物ターミナル駅は、この機能移転によって開業した貨物駅。梅田駅の約半分の機能を引き継ぎ、大阪の一大貨物拠点となっています。また、その他の3駅へ延びる貨物線は同駅を起点としており、路線上でも重要な位置を占めています。

大阪付近の貨物線。全て吹田貨物ターミナル駅が起点となっています(国土地理院「地理院地図Vector」の淡色地図に加筆)
大阪付近の貨物線。全て吹田貨物ターミナル駅が起点となっています(国土地理院「地理院地図Vector」の淡色地図に加筆)

これからご紹介する貨物線は、所属路線としては東海道本線や片町線などの支線ですが、それぞれの路線には通称があります。吹田貨物ターミナル~尼崎間の東海道本線貨物支線は「北方貨物線」、吹田貨物ターミナル~大阪貨物ターミナル間の東海道本線貨物支線は「大阪貨物ターミナル線(大タ線)」、吹田貨物ターミナル~福島(~西九条)間の東海道本線貨物支線は「梅田貨物線」、吹田貨物ターミナル~神崎川信号場間、正覚寺信号場~平野間の片町線支線は「城東貨物線」と呼ばれています。

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