鉄道コム

ミラーレス一眼が拓く新たな鉄道写真の世界

なぜミラーレス一眼は画質が良いと言われるのか

2021年3月20日(祝) 鉄道カメラマン 助川康史

ミラーレス一眼と一眼レフの画質差を生む要因

近年、カメラメーカー各社が、特にミラーレス一眼の開発・販売に注力している。その理由は、ミラーレス一眼に大きな発展性があるからだ。様々な発展の可能性の中で、ミラーレス一眼はファインダーに光を導くミラーを無くすことで、シャッターシステム上、一眼レフでは成しえない、更なる「超」高速連続撮影の可能性を秘めている、というのは第1回で述べた通りだ。

だが、ミラーが無くなったことによるメリットはそれだけではない。もう一つの大きな利点として、今回はミラーレス一眼ならではの画質の良さについて説明しよう。

カメラメーカーの広告だけでなく、カメラ雑誌でもミラーレス一眼の画質の良さを説明する記事は多い。だが「ミラーレス一眼も一眼レフも、同じデジタルカメラなのに画質が違うの?」と疑問に思う読者も多いのではないだろうか。

なぜミラーレス一眼は画質が良いと言われるのか(イメージ)
なぜミラーレス一眼は画質が良いと言われるのか(イメージ)

また、「ミラーレス一眼の画質は良いと聞いてはいるが、その理由がよくわからない」という読者も少なからずいるだろう。そこで一つずつその理由を紐解いていこう。

まず結論から入ると、「ミラーレス一眼と一眼レフの画質はどちらが良いか?」と尋ねられれば、私は「ミラーレス一眼の方が画質は良くなる」と答える。

画質の良さはメーカーの求める質や、様々な条件、状況によって大きく違いは出るが、私が「~良くなる」と言ったのは、ミラーレス一眼ならではの構造にある。

そもそも、画質の良し悪しを決めるのは、 「1.光をイメージセンサーに導くレンズの性能」 「2.受けた光を信号化するイメージセンサーの性能」 「3.その信号を映像化する画像処理エンジンの性能」 の3つと私は考える。

そのうち「2.受けた光を信号化するイメージセンサーの性能」「3.その信号を映像化する画像処理エンジンの性能」は今後の新技術の導入などで高性能化が期待できるが、それは一眼レフにも反映できるので、条件としてはほぼ同じである。となると、残ったのが「1.光をイメージセンサーに導くレンズの性能」ということになる。

ミラーが無いことでレンズの描写力が良くなる?

残り5260文字/全文:6844文字

この続きはプレミアム会員になるとご覧になれます

プレミアムサービスのご案内 / 会員の方はチェックイン

プレミアム会員の入会はこちらから

まるでことわざの「風が吹けば桶屋が儲かる」のような言い方だが、「ミラーが無いことでレンズの描写力が良くなる」というのは、表現者である私にとって、ミラーレス一眼の一番のメリットだと感じている。ミラーレス一眼の特徴として「フランジバックが短い」あるいは「ショートフランジバック」という言葉を聞いたことは無

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

アンケート

このリポート記事について、よろしければ、あなたの評価を5段階でお聞かせください。

鉄道コムおすすめ情報

画像

側面はふたたびラッピングに

京急が2025年度に1000形8連2本の導入を発表。側面は「塗装」から「ラッピング」に戻る形に。

画像

JR東海の311系、6月末引退

名古屋圏で活躍した311系が6月末で定期運用終了。引退前の記念装飾掲出、廃車回送乗車ツアーも。

画像

「緑色のサザン」復活

特急「サザン」用の南海10000系1本が、6月からデビュー時の濃淡グリーンのツートンカラーに。

画像

名鉄の新型車両「500系」

既存の100系を置き換える車両。鶴舞線直通用として、2026年度より順次導入。

画像

ニコン「Z5II」の実力は?

スタンダード機でも性能充実! 鉄道カメラマンの助川康史さんが、ニコンの新ミラーレスカメラ「Z5II」の魅力をご紹介します。

画像

5月の鉄道イベント一覧

新緑がまぶしい季節となりました。5月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。