2020年夏に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、会期中に多くの人々が東京圏に集まり、移動することが予想されます。外国人旅行者を含め、鉄道利用者も大きく増える見込みから、鉄道各社では2020年に向け、駅の改良工事などを進めています。利便性の向上や移動の円滑化を図るのが主な趣旨です。
JR東日本では、競技会場周辺の駅や、競技会場アクセス路線の乗換駅を対象に、駅の改良工事に着手しています。競技会場周辺にある駅として、原宿駅、千駄ヶ谷駅、信濃町駅、有楽町駅、新木場駅、競技会場アクセス路線への乗換駅として、新橋駅、浜松町駅の7駅です。合計で約500億円を投じ、ホームの増設、コンコースの拡張、ホームドアの整備などを進めています。
7駅のうち、今回は原宿駅、千駄ヶ谷駅、信濃町駅について、工事の状況などを紹介します。(2018年4月29日撮影)
原宿駅の状況
代々木競技場の最寄り駅となる山手線原宿駅。新駅舎の建造、臨時ホームを改築したホームの増設などが行われています。
![山手線原宿駅、渋谷寄りの様子。西側にある臨時ホームを改良し、外回り列車専用のホームにする工事が進んでいます。写真の列車は外回り。外回り列車の乗り降りは、現在は進行方向右側ですが、専用ホームができると同左側に変わります](https://images.tetsudo.com/report/103/hara01.jpg)
![臨時ホームは3番線として、主に明治神宮の初詣客向けに使われてきました。その臨時ホームを解体したうえで、新しいホームが造られています。ホームドアも整備されます](https://images.tetsudo.com/report/103/hara02.jpg)
![ゴールデンウィーク前半ということもあって、外国人旅行者を含め山手線の利用者は多く、原宿駅も多くの人でにぎわいました。ホームも通路も混雑が続き、通路や改札付近では、駅員が誘導する姿も見られました](https://images.tetsudo.com/report/103/hara03.jpg)
![表参道口の改札付近の様子。出る方も入る方も列ができ、混雑時は移動するのに時間を要するのが現状です。駅改良工事では、渋谷寄りの改札は2階に移設。2階コンコースは、改札の内側、外側ともに広いスペースが確保され、移動が円滑になる見込みです](https://images.tetsudo.com/report/103/hara04.jpg)
![原宿駅南側に架かる神宮橋から見た駅の様子。右側の用地では、鉄骨造り2層の新しい駅舎を建てるための準備が進められています。新駅舎建設にともない、現行の駅舎はなくなるため、橋からの眺めも2年後には大きく変わることでしょう](https://images.tetsudo.com/report/103/hara05.jpg)
![新しい駅舎は、線路をまたぎ、現ホームと工事中の臨時ホームの南側上部にわたる範囲で建設。ホームの南端には、駅舎を支える柱が設置されています。写真左の明治神宮側には、新たな出入口として「明治神宮口」も設けられます。エレベーターは、明治神宮口、表参道口の両方に設置される予定です](https://images.tetsudo.com/report/103/hara06.jpg)
![原宿駅の現駅舎。表参道口に建つこの駅舎は2代目にあたり、1924年に竣工しました。尖塔が特徴的な洋風駅舎で、木造建て。都内の木造駅舎としては最古の建物です。工事によってどのような扱いになるのか注目されます](https://images.tetsudo.com/report/103/hara07.jpg)
![新宿寄りにある原宿駅竹下口の様子。出入口は、道路をはさんで竹下通りに面しており、こちらも人通りが多くなっています。この日は、改札や通路の混雑が激しく、移動に時間がかかりました。改札とホームを結ぶ通路に大きな変化は見られませんでしたが、外回り列車専用のホーム設置にあわせ、通路を整備する工事が一部で始まっています](https://images.tetsudo.com/report/103/hara08.jpg)
![通路の工事のため、外回り列車側のホームドアは、3号車4番ドア~4号車4番ドアの範囲で撤去されています。改めてホームドアが設置されるのは2019年春ごろの予定です](https://images.tetsudo.com/report/103/hara09.jpg)
![竹下口に通じる通路の工事箇所から先、南側の新設ホームの様子。ホーム中央には2階コンコースに通じる階段が設けられ、その後方にエレベーター、エスカレーターの順で設備が整備されます。明治神宮口の配置は、写真左奥になります](https://images.tetsudo.com/report/103/hara10.jpg)
千駄ヶ谷駅の状況
次は、新国立競技場などへのアクセス駅、中央・総武緩行線の千駄ヶ谷駅です。ホームの増設、改札口の移設などが進められています。
![新宿方面ホーム(左)と、かつての臨時ホーム(右)。原宿駅同様、千駄ヶ谷駅でも臨時ホームを常設のホームにする工事が始まり、部分的に真新しいホームが見られるようになっています](https://images.tetsudo.com/report/103/sen01.jpg)
![臨時ホームが取り除かれ、大きく空間が確保されている場所も見られます。この付近は、かつて改札口があったところ。将来的には駅施設と店舗が入る予定です](https://images.tetsudo.com/report/103/sen02.jpg)
![新宿方面ホーム、西端付近の様子。現在は、新設ホームの端と、列車の停止位置がほぼ同じになっています](https://images.tetsudo.com/report/103/sen03.jpg)
![西に向かって撮ったホーム西側の様子。線路下には道路があり、そのガード部分に重なるように、ホームが新設されるのがわかります。新ホームには、ホームドアが設置されます](https://images.tetsudo.com/report/103/sen04.jpg)
![御茶ノ水方面ホーム。改良工事では、この乗り場にもホームドアが整備されます](https://images.tetsudo.com/report/103/sen05.jpg)
![千駄ヶ谷駅の現改札口。改良工事により、新宿寄りに移設されています。自動改札機の設置は仮の状態。工事完成時にはコンコースや出入口も広くなり、改札機の台数も増える予定です](https://images.tetsudo.com/report/103/sen06.jpg)
![移設後の改札口を外から見た様子。有人窓口、駅名看板などは仮設になっています。改札の奥には、新設ホームに通じるエレベーターが設けられます](https://images.tetsudo.com/report/103/sen07.jpg)
信濃町駅の状況
中央・総武緩行線の信濃町駅。千駄ヶ谷駅同様、新国立競技場などへのアクセス駅です。5月中旬には、エレベーターが増設されます。
![御茶ノ水方面ホームを出る列車。信濃町駅での改良工事では、御茶ノ水、新宿両方面にホームドアが整備されます。工事が始まるまでは、カーブを進む列車をこのような状態で見ることができます](https://images.tetsudo.com/report/103/shina01.jpg)
![ホーム中央部、5号車付近では、2台目のエレベーターを設ける工事が進んでいます。2017年12月に着工し、2018年5月中旬に完成する予定です](https://images.tetsudo.com/report/103/shina02.jpg)
![コンコースや駅事務室の工事に伴い、自動改札機が一部で移設されています。床面に段差ができているため、その注意書きなどが掲示中](https://images.tetsudo.com/report/103/shina03.jpg)
次回は、有楽町駅、新橋駅、浜松町駅をご紹介します。