鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

高画質映像の伝送実現へ、JR東海が東海道新幹線にミリ波列車無線を導入

2021年9月22日(水)17時4分

ミリ波用車載アンテナ
ミリ波用車載アンテナ

JR東海は22日、東海道新幹線にミリ波方式の列車無線を整備すると発表した。

東海道新幹線では現在、指令と列車の通信に使用する列車無線には、線路横に通信ケーブルを設置するLCX(漏洩同軸ケーブル)方式を採用している。同社では、メンテナンスの省力化やセキュリティ強化の推進を目的に、ミリ波による列車無線システムの開発を進めてきた。

ミリ波方式では、沿線の平均500メートル毎に地上アンテナを設置。車両側アンテナは、従来の先頭車側面に代え、先頭部連結器カバー内に設置する。この方式により、通信速度は最大1Gbpsを実現。LCX方式で使用する400MHz帯の電波と比べ、約300倍の大容量通信が可能となる。

また、ミリ波は雨により電波が弱くなる性質があるため、特に豪雨時には安定した通信ができなくなる恐れがある。そのため、同社では同一信号を複数回送信する「豪雨モード」を開発。悪天候時においても安定した通信を可能とした。

同社では、ミリ波方式の採用により、画像・映像伝送の機能の強化を図る。従来はLTE回線を使用して送信していた車内防犯カメラの映像を列車無線経由での送信とするほか、運転台に設置するカメラの映像を指令へ伝送することで、障害発生時の状況確認を迅速化する。また、運転台やパンタグラフ付近に設置するカメラ、軌道監視装置などで取得した映像・データを送信し、地上側で解析することで、係員による巡回検査の削減にもつなげる。

ミリ波列車無線の導入工事は、2021年12月に開始。2027年1月に運用を開始する予定としている。

2021年9月22日(水)17時4分更新

鉄道未来インデックス

  • 東急桜新町駅リニューアル竣工[2026年夏]
  • 山陽本線姫路~英賀保間新駅開業[2026年秋]
  • 台湾高速鉄道新型車両納入開始[2026年]
  • 中野駅西側新駅舎開業[2026年]
  • 東海道新幹線ミリ波列車無線使用開始[2027年1月]

鉄道コムおすすめ情報

画像

めでたいでんしゃの「祖先」

7月13日に南海の観光列車「はじまりの『めでたいでんしゃ』」がデビューへ。2000系を改造。

画像

西武「2色塗り」復刻

2000系1本を対象に、1961年まで使用のデザインでラッピング。ただし先頭部のみ。

画像

特別仕様車イベント走行

銀座線1000系特別仕様車で実施。車内照明の色味変更や「予備灯」点灯でレトロ感を演出。

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。子ども向けのイベントが中心で、今年度は親子限定の事前申込制。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

4月の鉄道イベント一覧

いよいよ新年度。本年度も鉄道コムをよろしくお願いします。鉄道旅行や撮影の計画は、イベント情報から。