西武鉄道は9月26日、環境負荷の少ない他社からの譲受車両「サステナ車両」の導入形式について、東急9000系と小田急8000形の2形式とすると発表しました。サステナ車両の導入は以前に発表されていましたが、導入形式が複数あること、塗装の手間がかかる鋼製車両（小田急8000形）を導入するなどの点で、ファンを驚かせました。
これらの導入路線や時期は明らかにされましたが、ファンとしては他にも気になる部分が多数あると思います。そこで今回、譲受車両の運用、既存の西武車両の置き換えなど、今後の動きについて西武鉄道広報に話を伺いました。
まずは、譲受車両の運用について。小田急の8000形は、2024年度から国分寺線の運用に就く予定であると発表されています。国分寺線は6両編成の車両が使われていることから、譲受する車両も6両編成であると思われます。ちなみに現在、西武では拝島線にも6両編成の運用がありますが、そちらを走る予定はないとのことです。
東急9000系は、多摩川線、多摩湖線、西武秩父線、狭山線に投入すると発表されました。現在、これらの路線はすべて4両編成で運転されていますが、同じく4両編成が走る西武園線については、譲受車両は入らないとしています。
なお、現在9000系が運用されている東急大井町線では、9000系とよく似たスタイルの9020系も走っています。プレスリリースでは9000系のみの記載となっていましたが、西武の広報担当者によると、この9020系も譲受対象に含まれているそうです。
ちなみに、小田急車両、東急車両とも、車両の改造内容、車体や内装のデザインは現状未定で、「ご想像におまかせします」（広報担当者）とのこと。実車が姿を見せるまでのお楽しみになりそうです。
続いて、西武の既存車両の今後について。譲受車両の導入による置き換えの対象は、2000系の支線区を走る車両と、101系、4000系の、VVVFインバータ制御ではない3形式です。本線を走る2000系は、今回のサステナ車両でなく、新造車両で置き換えるとしています。なお、101系には、新型車両をはじめとする無動力の車両のけん引に使われる編成（263編成）が在籍していますが、こちらの代替については未定とのことです。
また、西武には、10000系「ニューレッドアロー」、4000系「52席の至福」など、特急・観光用車両にも、VVVFインバータ制御でない車両が残っています。西武の広報担当者は、「これらの車両の今後は未定ですが、当社では2030年度までに在籍車両をVVVF制御車に統一する方針を掲げているので、これに沿った対応を進めていきます」とコメント。遠くない将来、サステナ車両とは別の動きが出るものと思われます。
