鉄道コム

鉄道コらム

なぜ乗り入れ先に車両基地を? 土地が限られる地下鉄の車両基地事情

2023年12月30日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

東武スカイツリーライン(伊勢崎線)に乗っていると、竹ノ塚駅の西新井駅側に車両基地が現れます。東武線内にある車両基地なのだから、東武の車両基地……かと思いきや、実はここは、東京メトロ日比谷線の車両基地。なぜ他社線内に車両基地を作ったのでしょうか。

東武スカイツリーライン(手前の線路)上にある、東京メトロの車両基地(奥)
東武スカイツリーライン(手前の線路)上にある、東京メトロの車両基地(奥)

日比谷線の車両基地は、日比谷線内の南千住駅付近(千住検車区)と、ここ竹ノ塚駅付近(千住検車区竹ノ塚分室)の2か所にあります。もともとは千住検車区だけが日比谷線の車両基地だったのですが、車両数が増えたことで敷地が手狭に。しかし千住検車区は拡張が困難な立地で、代わりとなる車両基地の場所を求めた結果、東武鉄道から譲り受ける形で、竹ノ塚に車両基地を設けることとなったのです。

同じように、半蔵門線の車両基地は、東急田園都市線の鷺沼駅付近に立地。大阪メトロ堺筋線も、阪急京都線の正雀駅付近に車両基地を持ちます。都営地下鉄の浅草線も、馬込に車両基地を設ける前は、京成線内に車両基地を設置していました。

半蔵門線の車両基地、鷺沼検車区。東急田園都市線の鷺沼駅付近にあります
半蔵門線の車両基地、鷺沼検車区。東急田園都市線の鷺沼駅付近にあります

車両基地は広大なスペースが必要ですが、開発が進んだ都市部では、車両基地用の土地を確保できない場合があります。そのため、日比谷線や堺筋線などでは、直通運転先に車両基地を設けることで、この問題を解決したのです。

ただし、日比谷線などの後に開業した、都営新宿線や大江戸線、大阪メトロ長堀鶴見緑地線などでは、公園などの地下に車両基地を設けることで、スペースを捻出しています。また、東京メトロ東西線や有楽町線では、開業時点では地上に車両基地を持っていなかったため、トンネル内の留置線を車両基地として活用していました。

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

関連鉄道コらム

鉄道コムおすすめ情報

画像

JR東の「新たな夜行列車」

E657系を改造する、全席グリーン個室の夜行特急列車。2027年春に運転開始予定。

画像

茶色の東武8000系が登場

東上線全通100周年を記念して、8000系81111編成が「ぶどう色1号」塗装に。7月13日運転開始。

画像

秩父に「三岐カラー」の機関車

秩父鉄道と三岐鉄道が、お互いの塗装を塗り替えた機関車を運転。秩父鉄道では6月中旬から。

画像

鉄道動画の撮影・編集のコツ

近年のカメラは、動画撮影機能も超充実! 鉄道カメラマンの助川康史さんが、鉄道動画の撮影のコツや編集方法などをご紹介します。

画像

6月の鉄道イベント一覧

梅雨のシーズンでもイベントは多数開催。6月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。