鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

国鉄型近郊電車といえばこの2つ! 113系と115系、何が違う?

2023年3月3日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

国鉄型の近郊電車といえば、多くのファンが思い浮かべるのが、113系と115系ではないでしょうか。1960年代に登場した両形式は、日本全国の直流電化路線で活躍し、JR誕生以降も活躍が続いています。ところで、見た目こそ似ているこのこの2形式、何が違うのでしょうか?

直流電化路線で活躍した115系。113系とは何が違う?
直流電化路線で活躍した115系。113系とは何が違う?

113系は、1963年に登場。前年の1962年に登場した111系のモーターをパワーアップした形式で、111系も含めた大きなグループを113系と呼ぶこともあります。投入されたのは、東海道本線や横須賀線など。長編成を組む路線での活躍も多く、東海道本線や横須賀線ではグリーン車を組み込んで運転されました。

115系は、同じく1963年にデビュー。東北本線や高崎線、中央本線などに投入されました。こちらも長編成を組む姿が見られたものの、東海道本線の113系のように、115系としてのグリーン車が製造されることはありませんでした。

投入線区を見ると、113系は温暖な地域や勾配が少ない路線、115系は寒冷地や勾配が多い路線であることがわかります。そのため115系では、ドアを乗客が手動で開閉する半自動機能の搭載、タイフォン(警笛)カバーの変更や「雪切室」の設置(1000番台のみ)といった雪を巻き込まない工夫、ブレーキシューではなくモーターを発電機とすることでブレーキを掛ける「抑速ブレーキ」の搭載など、耐寒・耐雪構造および勾配線区対応が盛り込まれています。また、短い編成を組めるように、新製当時から運転台つき車両にモーターを搭載した「クモハ」が用意されていたことも、113系と異なります。

温暖な路線への投入が多かった113系
温暖な路線への投入が多かった113系

ただし、一部には例外もあります。湖西線や草津線に投入された113系700番台・2700番台は、寒冷地を走るため、115系並の耐寒・耐雪構造となっています。つまり、両者の大きな違いは、勾配路線への対応が大きなウェイトを占めています。

似ているけれどもキャラが異なる113系と115系。デビューから50年が超えた両形式は、すでにJR東日本、JR東海、JR四国では引退しており、残るJR西日本としなの鉄道(115系のみ)でも、順次置き換えが進められています。2つの国鉄型近郊電車が楽しめる時代も、まもなく終わりを迎えそうです。

鉄道コムおすすめ情報

画像

めでたいでんしゃの「祖先」

7月13日に南海の観光列車「はじまりの『めでたいでんしゃ』」がデビューへ。2000系を改造。

画像

西武「2色塗り」復刻

2000系1本を対象に、1961年まで使用のデザインでラッピング。ただし先頭部のみ。

画像

特別仕様車イベント走行

銀座線1000系特別仕様車で実施。車内照明の色味変更や「予備灯」点灯でレトロ感を演出。

画像

京急ファミリーフェスタ

5月26日、久里浜工場にて開催。子ども向けのイベントが中心で、今年度は親子限定の事前申込制。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

5月の鉄道イベント一覧

新緑がまぶしい季節となりました。5月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。