東武鉄道伊勢崎エリア乗りつくし、1月20日リポート~スカイツリートレインで葛生、西小泉へ

2019年1月24日(木) 鉄道コムスタッフ 冨田行一

日本の私鉄では、近畿日本鉄道に次ぐ路線長を有する東武鉄道。全体で約463キロある路線のうち、伊勢崎線、日光線などの東武本線系統(野田線を除く)約316キロを“ほぼ”乗りつくす旅行企画が登場し、1月19日(土)、20日(日)の2日間にかけて催行されました。

手がけたのは、「通常は運行していない貨物線を走行する旅」などでおなじみのクラブツーリズム。東武鉄道と共同で企画、実施されました。2日間続けて参加すると、亀戸線、大師線、曳舟~押上間を除く区間を乗車でき、東武の路線全体の3分の2がカバーできるというスケールの大きなツアーです。使用車両は、両日とも東武634型「スカイツリートレイン」でした。

今回はその2日目、20日の乗りつくしリポートをお届けします。

東武伊勢崎線、佐野線、小泉線、桐生線…“ほぼ”乗りつくし

20日の行程は、浅草(8:09発)~葛生~館林~西小泉~東小泉~赤城~太田~伊勢崎~浅草(17:06着)というもので、スカイツリートレインが初めて乗り入れる区間もあり、広く注目を集めました。販売開始とともに多くの申込があり、キャンセル待ちも出たとのこと。この日は満員盛況。晴天の中、約9時間の旅が始まりました。

“ほぼ”乗りつくし、2日目スタート。スカイツリートレインの表示は、左が「団体」、右が「スカイツリートレイン」でした。
“ほぼ”乗りつくし、2日目スタート。スカイツリートレインの表示は、左が「団体」、右が「スカイツリートレイン」でした。
浅草駅での特急列車案内表示。当駅での表示は、スカイツリートレイン77号、葛生行きでした。臨時特急の運用で、浅草~佐野間の設定はありましたが、スカイツリートレインの佐野~葛生間での営業運転は初めてとのこと。スカイツリートレインと葛生の組み合わせも初です。
浅草駅での特急列車案内表示。当駅での表示は、スカイツリートレイン77号、葛生行きでした。臨時特急の運用で、浅草~佐野間の設定はありましたが、スカイツリートレインの佐野~葛生間での営業運転は初めてとのこと。スカイツリートレインと葛生の組み合わせも初です。

(1)浅草(8:09発)~葛生(10:20着)

出発は浅草駅4番線から。リバティの回送列車が発った後、7:49にスカイツリートレインが姿を見せました。入線シーンをはじめ、停車中も撮影を楽しむ方は多く、スカイツリートレインの人気の高さがうかがえました。

発車標の表示通り、8:09に出発。車内アナウンスは主にクラブツーリズムの方々が担当され、鉄道ファンには納得のポイントのほか、トリビア的な案内も加わり、車窓から目が離せない時間が続きました。東京スカイツリー、東武本社、東武博物館に始まり、ドラマ「金八先生」の舞台の話、複々線区間の見どころなど。往路では北千住駅を通過し、そのレア度についての話もありました。

そびえたつ東京スカイツリーの姿を収めることができるのは、スカイツリートレインが誇る天井に届く窓の為せる業。スカイツリービューを楽しむ仕様と言ってもよさそうです。
そびえたつ東京スカイツリーの姿を収めることができるのは、スカイツリートレインが誇る天井に届く窓の為せる業。スカイツリービューを楽しむ仕様と言ってもよさそうです。
高架化工事が進む竹ノ塚駅(8:26ごろ通過)。下り線はすでに高架となり、上り線を見下ろす構図になります。
高架化工事が進む竹ノ塚駅(8:26ごろ通過)。下り線はすでに高架となり、上り線を見下ろす構図になります。

車両基地や留置線を通る際は、その最新情報も。北春日部駅の先、南栗橋車両管区春日部支所では70000系の最新編成など、館林駅の手前、津覇車輌工業の館林工場では20400系など、館林駅の先、南栗橋車両管区館林出張所の車両在籍状況などの話がそれぞれあり、その度にカメラを向ける方を多く見受けました。スカイツリートレインの広い窓は、眺望を楽しむだけでなく、車両をとらえるうえでも有意義なことを実感しました。

団体臨時列車なので、運用の都合上、開扉をせずに停車する駅がいくつかあります。そのうち、長め(10分以上)の運転停車があったのは、羽生駅と館林駅の2駅。羽生駅では、隣接する秩父鉄道のホームに急行「秩父路」4号が着く時間(9:20着)と重なり、「元西武の車両と、東武の改装車両の競演」といったアナウンスが入り、車内では歓声が上がりました。館林駅では、横断幕を持った駅員の方々の歓迎を受け、駅員一行が手を振って通ると、乗客も手を振ってこたえるシーンが停車時間中続きました。

羽生駅停車中、隣の秩父鉄道ホームに入線する急行列車を撮影。車両は、急行用の6000系です。元西武鉄道の新101系を改造し、2006年に秩父鉄道での運転を始めました。
羽生駅停車中、隣の秩父鉄道ホームに入線する急行列車を撮影。車両は、急行用の6000系です。元西武鉄道の新101系を改造し、2006年に秩父鉄道での運転を始めました。
館林駅(3番線)停車中のワンシーン。横断幕での歓迎は、団体臨時列車の旅の醍醐味と言えるでしょう。
館林駅(3番線)停車中のワンシーン。横断幕での歓迎は、団体臨時列車の旅の醍醐味と言えるでしょう。

館林駅からは佐野線に入ります。一定のスピード感で走って来た列車は、佐野線区間では幾分スローになり、車窓の景色もゆっくり流れていきます。渡良瀬川、両毛線、ご当地キャラクターを描いたガスタンクなどなど。佐野駅をゆっくり通過すると、スカイツリートレインとしては初となる区間にいよいよ入ります。特に見通しの利くカーブ区間では、カメラを向けるファンの姿が増え、初乗り入れに対する注目度の高さを感じることができました。

渡良瀬川と並ぶ矢場川では、白鳥の群れも見られました。渡良瀬川は写真左側になります。
渡良瀬川と並ぶ矢場川では、白鳥の群れも見られました。渡良瀬川は写真左側になります。

佐野線の敷設は、石灰石輸送が原点。その名残を感じさせるセメント工場を過ぎると、終点は間もなくです。列車は、線路をまたぐ国道293号線に集う人達が見送る中を減速して入構。10:20、葛生駅に着きました。

ホーム上では、横断幕の出迎えのほか、クラブツーリズムとテレビ東京の共同企画番組「旅スルおつかれ様 ~ハーフタイムツアーズ~」のワンシーンとして、参加者らによる集合カットの撮影も行われ、終始にぎわいました。(番組の放送予定は、2月20日、21日の各日8:00~8:15とのことです。)

番組でのシーン収録後、横断幕を入れての撮影タイムに。1面1線のホームでの撮影は少々難しいものがありました。
番組でのシーン収録後、横断幕を入れての撮影タイムに。1面1線のホームでの撮影は少々難しいものがありました。
葛生駅構内。石灰やセメントの輸送拠点だったため、構内は広く、かつては左奥に向け、東武会沢(あいさわ)線・大叶(おおがの)線などの貨物線も延びていました。右はかつての貨物ヤード。跡地活用として、現在はメガソーラー施設が稼働しています。
葛生駅構内。石灰やセメントの輸送拠点だったため、構内は広く、かつては左奥に向け、東武会沢(あいさわ)線・大叶(おおがの)線などの貨物線も延びていました。右はかつての貨物ヤード。跡地活用として、現在はメガソーラー施設が稼働しています。

(2)葛生(10:33発)~館林(11:08着)

今回の乗りつくしの旅は、各線の終着駅をめぐる旅という特性上、一筆書きでは行きません。行って戻っての行程が複数回あります。葛生駅で折り返す形で、再び佐野線を走り、館林駅まで。葛生10:33発、館林11:08着でした。

行ったり来たりでありがたいのは、往路で十分に視認できなかった光景を改めて見るなり撮るなりできることでしょう。「鉄道ファンにとってはさみしい」とアナウンスのあった北館林(渡瀬駅付近)の車両解体場も、復路でしかと見届けることができました。窓が広くよく見える分、さみしい印象も強くなるように感じました。

東武鉄道資材管理センター北館林解体所の様子。8000系などが留置されていました。
東武鉄道資材管理センター北館林解体所の様子。8000系などが留置されていました。

(3)館林(11:20発)~西小泉(11:43着)

往路で運転停車扱いだった館林駅。佐野線の次は小泉線に入り、方向を転換するため、運転席を変える合間にホームに降り立つことができます。発車時刻まで10分余りでしたが、参加者の多くは、撮影に専念する時間に充てていたようです。この後も方向転換する駅では降車ができ、それぞれ思い思いの過ごし方をしていました。

館林駅5番線に停車中のスカイツリートレインと、番組収録の様子。一般のお客さんが撮影する姿も多く見られました。
館林駅5番線に停車中のスカイツリートレインと、番組収録の様子。一般のお客さんが撮影する姿も多く見られました。

2度目の方向転換で、小泉線へ。スカイツリートレインが同線を走るのは初めてということもあり、本中野駅付近をはじめ、沿線各所で撮影する人の姿が見られました。小泉線での制限速度は時速70キロ。ペースとしてはやや遅めになります。20分弱で東小泉駅に着くと、ここからは分岐する太田方面ではなく、そのまま西の終点へ。2キロほど走り、終点の西小泉駅には11:43に着きました。

西小泉駅は、「ブラジルタウン」の玄関駅という位置づけから、駅舎のカラーリングにブラジルの国旗で使われる黄色や緑色を配色しているのが特徴です。2017年9月にリニューアルしたその色鮮やかな駅舎を見物すべく、多くの参加者が改札を行き来していました。列車の撮影時間も考えると、停車時間は短かったかもしれません。折り返しの発車時刻は11:50でした。

西小泉駅駅舎。天井や壁面に黄色が使われ、駅のシンボルマークなども黄色が使われています。シンボルマークは、ブラジルの国鳥がモチーフです。
西小泉駅駅舎。天井や壁面に黄色が使われ、駅のシンボルマークなども黄色が使われています。シンボルマークは、ブラジルの国鳥がモチーフです。
西小泉駅ホーム東側にて。発車時刻ギリギリまで、このように横断幕を広げてくださいました。
西小泉駅ホーム東側にて。発車時刻ギリギリまで、このように横断幕を広げてくださいました。

(4)西小泉(11:50発)~東小泉(11:53着)

この日3度目の方向転換で、再び東小泉駅へ。東小泉駅では、4度目の方向転換で次は太田方面に向かうため、東小泉~西小泉間の往復では、座席の向きをちょくちょく変える形になりました。乗りつくしの旅ならではのアトラクションと言っていいと思います。

歓迎の横断幕は、西小泉駅、東小泉駅ともに用意され、それぞれ多くの方がカメラに収めていました。席の向きを変え、降車し、横断幕を撮り、列車を撮り・・・この後はおおむねこのパターン。時間があれば、改札の外へという方も少なからずいたようです。

東小泉駅での様子。横断幕のデザインは、西小泉駅と共通でした。
東小泉駅での様子。横断幕のデザインは、西小泉駅と共通でした。

(5)東小泉(12:02発)~赤城(12:54着)

小泉線の本線は、竜舞駅をはさんで太田駅まで。ここから路線を変え、次は桐生線に入ります。8分の運転停車後、12:21に出発。終点の赤城駅には12:54に着きました。

途中、三枚橋駅で特急「りょうもう」24号との行き違いがあるなど、駅での小休止をはさみつつ、列車は北上。両毛線を越え、わたらせ渓谷鐵道と並び、次いで上毛電気鉄道との並行区間に入ると、勾配を上りながらの力走になります。車内では、前面や後方の展望を大型ディスプレイで見ることができるので、勾配区間が映っている間、その特徴や苦労話など、東武鉄道の方から解説がありました。実況中継を見ているようで楽しめました。

三枚橋駅を通過する、りょうもう号。スカイツリートレインの停車時間は2分ほどでした。
三枚橋駅を通過する、りょうもう号。スカイツリートレインの停車時間は2分ほどでした。
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赤城の山を後に…乗りつくし完結へ

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