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パナソニック、新型カメラ「G9 PROII」発表 フルサイズ機と「兄弟機」なマイクロフォーサーズのフラッグシップ

2023年9月13日(水) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

パナソニックは13日、新型ミラーレスカメラ「LUMIX G9 PROII」(DC-G9M2)を発表しました。

新型ミラーレスカメラ「LUMIX G9 PROII」(DC-G9M2)
新型ミラーレスカメラ「LUMIX G9 PROII」(DC-G9M2)

マイクロフォーサーズは、17.3ミリ×13ミリの4/3型イメージセンサーを搭載する規格。36ミリ×24ミリセンサー、いわゆるフルサイズセンサーよりセンサーサイズが小さいのが特徴です。センサーサイズが小さいため、マイクロフォーサーズ用のレンズはフルサイズ用よりコンパクトに設計でき、カメラシステム全体をコンパクト、かつ軽量にできます。

その仕組み上、描写力はフルサイズ、重量や望遠での撮影はマイクロフォーサーズが有利なのですが、パナソニックのカメラ製品「LUMIX」シリーズでは、マイクロフォーサーズのシステムとして「Gシリーズ」、フルサイズのシステムとして「Sシリーズ」を展開。双方のニーズに対応する製品群を販売しています。

同社が今回発表したG9 PROIIは、Gシリーズのフラッグシップとなる製品。従来製品からさらに性能を向上し、高速性や機動性を追求した製品となっています。

マイクロフォーサーズはコンパクトなシステムが特徴、と説明しましたが、G9 PROIIのボディ形状は、2月に発売されたフルサイズ機「S5II」(DC-S5M2)と同等。サイズは同一です。これは、両製品が共同プロジェクトとして開発されたため。GシリーズとSシリーズの双方を使い分けるユーザーを想定し、操作系が揃えられた、いわば兄弟機として設計されています。ちなみに、機能が進化した次世代機となるG9 PROIIですが、先代のG9 PROよりはボディサイズは若干小さくなっているということです。

GシリーズのフラッグシップモデルとなるG9 PROII
GシリーズのフラッグシップモデルとなるG9 PROII
2月に発売されたフルサイズ機「S5II」。レンズマウントの違いに加え、「ペンタ部」に排熱口がありますが、それ以外はG9 PROIIとほぼ同じ形状です
2月に発売されたフルサイズ機「S5II」。レンズマウントの違いに加え、「ペンタ部」に排熱口がありますが、それ以外はG9 PROIIとほぼ同じ形状です

ボディはマグネシウム製で、S5IIと同等の防塵防滴・低温撮影性能を持ちます。シャッターボタン周辺のISO感度やホワイトバランスといったボタン類の配置はG9 PROを踏襲していますが、ジョイスティックの操作方向は4軸から8軸に進化しています。

G9 PROIIのボディ背面。ジョイスティックは従来製品の4軸から8軸に進化しました
G9 PROIIのボディ背面。ジョイスティックは従来製品の4軸から8軸に進化しました

メディアスロットは、UHS-II対応のSDカード用を2つ搭載。インターフェース群では、HDMI Type A端子、USB Type-C端子などを搭載します。背面モニターは184万ドットのフリーアングルモニター、LVFは368万ドットのOLEDファインダーを採用しました。

UHS-II対応のデュアルSDカードスロット
UHS-II対応のデュアルSDカードスロット
インターフェース群
インターフェース群

G9 PROIIの撮影素子には、新開発の2521万画素CMOSイメージセンサーを搭載。AF機能では、Gシリーズでは初となる「像面位相差AF」を採用し、従来製品よりも追従性を向上しました。被写体認識機能はアップデートされ、「人物」と「動物/動物瞳」を分離。新たに「車/バイク」の認識にも対応しています。

新開発の2521万画素CMOSイメージセンサーを搭載
新開発の2521万画素CMOSイメージセンサーを搭載

高速連写性能では、電子シャッター使用時に限りますが、AFC(AF追従)では秒間60コマ、AFS(AF固定)では秒間75コマの連写を実現。バッファメモリの増量により、3秒以上の連写継続も可能となりました。シャッターボタンを押す前から記録する「プリ連写」機能は、さかのぼる時間を0.5秒、1.0秒、1.5秒の3種から選択可能となっています。

AFC(AF追従、画像の設定モード)では秒間60コマ、AFS(AF固定)では秒間75コマの連写を実現
AFC(AF追従、画像の設定モード)では秒間60コマ、AFS(AF固定)では秒間75コマの連写を実現

LUMIXで定評のある手ブレ補正機構は、ボディ内補正機構「B.I.S」で8段、ボディ+レンズ連動の「Dual I.S.2」で7.5段。35mm版換算で1600mmとなる超望遠レンズでの撮影時にも、被写体をガッチリ捉えて離さない、強力な手ブレ補正を実現しています。電子手ブレ補正機能も進化しており、動画撮影時でもブレの少ない撮影が可能です。

動画では、4:2:0 120p/100p 10bit C4K/4K、4:2:2 60p/500p 10bit C4K/4Kなどに対応。加えて、カメラ内でLUT(Look Up Table)記録が可能な「リアルタイムLUT」に、静止画と動画の双方で対応しています。

G9 PROIIとともに、新たなレンズなども発表されました。

新レンズ2種。左がH-RSA100400(100-400mm)、右がH-RS35100(35-100mm)です
新レンズ2種。左がH-RSA100400(100-400mm)、右がH-RS35100(35-100mm)です

「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.」(H-RSA100400)は、35mm版換算で200-800mmの撮影が可能な超望遠ズームレンズ。2016年発売のレンズをリニューアルしたものですが、新たにテレコンバーターの接続に対応しました。また、等倍マクロ撮影の対応や、ズームリミットスイッチの追加、ズームリングの操作性向上、ズーム時のフォーカス追従性向上といった改良も施されています。

「LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.」(H-ES35100)は、35mm版換算で70-200mmとなる標準ズームレンズです。これまでにも同スペックの製品は販売されていましたが、今回製品は描写性能を追求し、ライカの基準をクリアした高品質な製品となっています。

H-RSA100400などの望遠レンズに対応する2.0倍テレコンバーターとして、「DMW-TC20A」も発表。H-RSA100400に接続した場合、最大で35mm版換算1600mmでの撮影が可能となります。

H-RSA100400とDMW-TC20Aを接続した状態。35mm版換算で1600mmの撮影が可能です
H-RSA100400とDMW-TC20Aを接続した状態。35mm版換算で1600mmの撮影が可能です

バッテリーグリップ「DMW-BG1」も登場。バッテリー2個搭載による長時間撮影や、縦位置撮影を可能とします。今回発表のG9 PROIIに加え、ボディ形状が同等のS5IIおよびS5IIXにも対応する製品です。

バッテリーグリップを接続した状態
バッテリーグリップを接続した状態

今回発表された各製品は、10月27日の発売を予定します。

カメラ、バッテリーグリップ、テレコンバーターは、いずれもオープン価格。市場想定価格は、G9 PROIIのボディ単品が23万700円前後、ズームレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」(H-ES12060)がセットのレンズキットが30万3900円前後、バッテリーグリップが3万8300円前後、2.0倍テレコンバーターが6万6000円前後です。

新レンズは希望小売価格で、H-RSA100400が22万円、H-ES35100が15万4000円となっています。

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