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北陸新幹線延伸開業で「逆転現象」発生!? 「つるぎ」が「かがやき」より「速い列車」に

2023年12月8日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

2024年3月に金沢~敦賀間が延伸開業する北陸新幹線。JR西日本は8月、延伸開業後の運行形態について発表しました。東京方面と北陸を結ぶ「かがやき」「はくたか」は、一部を除いて金沢駅発着から敦賀駅発着に延伸する形に。また、「つるぎ」は富山・金沢~敦賀間の運転となり、敦賀駅で在来線特急「サンダーバード」「しらさぎ」と接続する役目を担います。

北陸新幹線「つるぎ」
北陸新幹線「つるぎ」

「つるぎ」は、延伸開業前のダイヤでは、富山~金沢間を走る各駅停車タイプの列車です。しかし、延伸開業後の運行形態では、9往復が金沢~敦賀間で福井駅以外の途中駅を通過する速達タイプとして運転。一方、「はくたか」はこれまで同様に上越妙高駅以西は各駅停車、「かがやき」も4往復が金沢~敦賀間で福井駅以外にも停まる設定です。そのため、金沢~敦賀間では、これまでとは一部で列車順位が変わる「逆転現象」が起きています。

北陸新幹線延伸開業後の停車パターン(画像:JR西日本)
北陸新幹線延伸開業後の停車パターン(画像:JR西日本)

この停車パターンは、「かがやき」「はくたか」が北陸対首都圏、「つるぎ」が北陸対関西圏・中京圏の需要に対応するため。延伸後の「つるぎ」は、従来の在来線特急を富山・金沢~敦賀間で代替する役割を担います。そのため、「サンダーバード」「しらさぎ」の速達タイプを代替する列車として、途中駅を通過する「つるぎ」が設定されたのです。「かがやき」「はくたか」は、敦賀駅で在来線特急との接続が無いダイヤで、関西圏との速達連絡は意識されていません。そのため、速達列車は一部に絞り、途中駅の対首都圏ニーズに応えるダイヤ設定となったのです。

「つるぎ」という名称は、1961年に運転を開始し、1994年に定期運転を終了した、大阪~新潟間の寝台特急列車で使われていたもの。当時の立ち位置は、同じ北陸本線を走る「日本海」よりも短距離の利用を想定した列車で、新幹線になった後もこの立ち位置が引き継がれていたようでした。

ところで、この名称の由来となった剱岳(つるぎだけ)は、富山県の立山連峰を構成する山の一つで、古くから山岳信仰の対象となっていたということ。山の由来となった「剱」の形状は、急峻な地形で人を阻んできた黒部峡谷側からでないと見ることができず、登山するにも上級者ですら危険という存在です。圧倒的な存在感を持つ山の名称を用いた列車は、列車名採用から約60年を経て、ようやく山の圧倒的なスケールに違わぬ立ち位置を得た、ということになるでしょうか。

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