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下町をゆく緑色の異端児 色違いの京成3500形の正体は

2022年6月30日(木) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

東京都葛飾区の静かな住宅街に根づく、京成金町線。普段は赤と青の帯の電車が行き交っていますが、時々、帯が緑色の「珍客」がやってくることはご存知ですか?

緑色の3500形……?(写真右)
緑色の3500形……?(写真右)

この「珍客」は、「芝山鉄道」の3500形。成田空港に近い東成田~芝山千代田の1駅間を結ぶミニ路線で、車両は4両編成の京成3500形のリース(貸与)を受けたものです。

芝山鉄道は開業時、京成から3600形がリースされ、赤・緑帯のスタイルで運用していました。その後、2013年に車両を3500形に変更。帯色は京成車両と同じ赤・青とされたものの、路線近隣にある成田空港のラッピングを側面に施す、正面行先表示部分の横に同社のマークを追加するなど、細かい部分に独自の仕様が見られました(時期によって、多少の仕様変更もありました)。大きな動きを見せたのが2022年4月。車両の検査時に帯色が赤・緑に変更され、9年ぶりに緑帯が復活したのです。

青帯スタイルだった頃の芝山3500形(成田空港ラッピングつき)
青帯スタイルだった頃の芝山3500形(成田空港ラッピングつき)

芝山鉄道によると、この「お色直し」は、同社の開業20周年を記念してのことだそうです。デビュー50周年の節目に、3500形に新たなスタイルが加わりました。

会社こそ違いますが、芝山3500形の運用は京成の4両編成と共通。そのため、4両編成が走る金町線に、芝山車両が「出張する」こともあります。緑の珍客に会いに行く、下町のミニ路線の旅。金町線の日常をほのかに彩る「宝探し」も、悪くないかもしれませんね。

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