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未来の鉄道路線

今なお工事が進行中! 東名間と九州を走る2つの新幹線

2021年1月23日(土) 鉄道コムスタッフ

長崎を走る九州新幹線

博多と鹿児島、長崎を結ぶ九州新幹線。このうち博多~鹿児島中央間のルート(鹿児島ルート)は2011年に全通し、残る新鳥栖~長崎間(西九州ルート)の整備が進行中。2021年1月現在は、末端区間の武雄温泉~長崎間で工事が進められています。

西九州ルートでは、有明海沿岸を走る長崎本線と異なり、大村湾沿岸を経由します。建設中区間の途中駅は、嬉野温泉、新大村、諫早の3駅。嬉野温泉駅は単独駅ですが、諫早駅は長崎本線や島原鉄道の駅に併設。新大村駅は、大村線と乗り換えできる新駅として整備されます。また武雄温泉駅では、かつての九州新幹線鹿児島ルートにおける新八代駅と同様、新幹線と在来線特急が同一ホームで接続し、対面で乗り換えできるようになります。

なお、整備新幹線の建設では、並行する在来線の不採算区間が、新幹線開業時に経営分離されることが常です。しかしながら、西九州ルートの並行区間のうち、不採算となることが想定される肥前山口~諫早間は、JR九州と長崎県・佐賀県の協議によって、開業後20年間はJR九州が運営を続けることとなっています。この区間では、設備は両県が保有する「上下分離方式」として、JRのサービスが引き続き提供されます。

2021年1月の時点では、長崎県内の土木工事は9割近くが終了。今後は駅舎や軌道、電気設備の工事が進められることになります。

工事中の新幹線長崎駅(2019年9月撮影)
工事中の新幹線長崎駅(2019年9月撮影)

西九州ルート武雄温泉~長崎間の開業予定時期は、2022年秋。あと1年半あまりで、長崎を走る新幹線が見られることになります。

武雄温泉~長崎間開業時に投入される「かもめ」用車両。JR東海が開発したN700Sを採用します(画像:JR九州)
武雄温泉~長崎間開業時に投入される「かもめ」用車両。JR東海が開発したN700Sを採用します(画像:JR九州)

なお、残る新鳥栖~武雄温泉間については、経由地となる佐賀県が、新幹線開業による時短効果が見込めないとして、建設費用の負担を拒否。2021年1月現在も、同区間の着工の目途は立っていません。

新鳥栖駅の南側(鹿児島方)。将来はここに長崎方面の線路を接続する計画です
新鳥栖駅の南側(鹿児島方)。将来はここに長崎方面の線路を接続する計画です

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