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房総エリアを走る電車、行先表示器の「色」が違う理由とは?

2023年6月21日(水) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

2021年3月にデビューした、房総エリア用のE131系。この車両の行先表示器では、種別(「普通」または「ワンマン」)部分の背景に色が付いています。これをよく観察してみると、同じ種別にもかかわらず、色には何種類かのパターンがあるよう。一体なぜなのでしょうか。

房総エリアを走るE131系
房総エリアを走るE131系

これは、走る路線ごとに色をわけたため。外房線は赤、内房線は青、成田線は緑などとなっています。

外房線(上)は赤、内房線(下)は青と、路線別にわけられた種別表示の色
外房線(上)は赤、内房線(下)は青と、路線別にわけられた種別表示の色

総エリアの表示の色わけは、国鉄時代に、誤乗防止を目的にはじまったもの。当時の房総各線では、たとえば安房鴨川駅行きが内房線経由と外房線経由、銚子駅行きが総武本線経由と成田線経由、などと、同じ行先であっても経由が異なる列車が運転されていました。これらの乗り間違いを防ぐため、客車列車では側面の「サボ」を路線別に区別。後に導入された車両でも採用され、113系でも、先頭部の方向幕でこれを表現したのでした。

この幕の色わけは、113系の後に投入された211系でも踏襲されました。しかし、これらを置き換えた209系では、3色LEDのために細かい色表示ができず、この色わけは廃止されてしまいました。このE131系で、2013年の211系引退以来、約8年ぶりに房総エリアの色わけが復活したというわけです。

同じように行先・系統別に色を変える方法は、関東では高崎エリアや鶴見線など、その他エリアでもJR西日本車両の種別表示や大分エリアの一部車両などで、全国的に見られます。山手線と京浜東北線のように、系統別に車体の色が異なれば一番わかりやすいのですが、同じ車両を使う別路線同士であっても、色という情報で路線をわかりやすく伝える工夫が、この色わけなのです。

【6月21日追記:記事表記を一部変更しました】

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