鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

別々のホームなのに「島式」のような駅 構造が物語る利用客増加の歴史

2023年12月1日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

鉄道駅のホームの配置は、複線区間で2つの線路の両側にホームが配置され、それぞれが向かいあっているものは「相対式」、2つの線路で1つのホームを挟んでいるものは「島式」などと呼ばれます。ほかにも「単式」や「頭端式」といった種類がありますが、やはり複線区間で一般的なのは、最初に挙げた2つの方式です。

しかし、中には例外的な配置の駅もあります。たとえば、横須賀線・湘南新宿ラインの武蔵小杉駅や、東京メトロ銀座線の日本橋駅、新橋駅など。線路間に島式ホームがあるのですが、片方の線路には外側にもホームがあり、島式+相対式という構造となっています。

京急線の横浜駅。左側は元々あった島式ホーム(上りホーム)で、右側は後に増設された下りホームです
京急線の横浜駅。左側は元々あった島式ホーム(上りホーム)で、右側は後に増設された下りホームです

これらの駅は、もともとは島式ホームのみが設置されていました。しかし、その後の利用客の増加でホーム上が混雑するようになると、1つのホームで捌ききることが難しくなります。そこで、外側に新しいホームを建設し、2つの線路のホームの役割を分割したのです。元の島式ホームのうち、新しいホームを建設した線路側は、旅客の転落防止などを目的に、基本的に柵が設置されています。

このような工事を実施した駅は、武蔵小杉駅や銀座線の2駅、山手線の品川駅、京急線の横浜駅などと、多くの例が挙げられます。一方で、2つのホームを1つに統合した駅もあります。

ホーム新設工事中の武蔵小杉駅
ホーム新設工事中の武蔵小杉駅

山手線の渋谷駅では、開業時は内回りと外回りが同じ島式ホームを使う構造でした。しかし、その後の利用客増加で、外回り線路の外側に新たなホームが建設され、内外ホームが分離されました。JR東日本では、渋谷駅の改良工事にともない、これをふたたび同じホームに統合する工事を実施。2023年1月の線路切換工事で、山手線渋谷駅は1つの島式ホームに戻りました。

なお、このホームはかつてと同じ島式ではありますが、ホーム幅は統合前の内回り専用時代より拡大。旧内回り・外回りの各ホーム幅を合計した値よりは小さいものの、それでも最大で約16メートルと、広い幅が確保されています。

鉄道コムおすすめ情報

画像

デビュー20年超の東急車リニューアルへ

2024年度設備投資計画で発表。3000系以外も対象に?東急広報へ聞きました。

画像

近鉄新型の形式名は「8A系」

新型一般車両「8A系」。2024年10月に奈良線・京都線でデビュー。2025年度には名古屋線にも。

画像

西武「NRE」置き換えへ

2026年度にも新宿線の有料着席サービスを刷新。10000系「ニューレッドアロー」は置き換えへ。

画像

「表定速度」日本最速は?

「表定速度」が最も速い列車は? 新幹線と在来線の各列車を見る2024年度版ランキング

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

5月の鉄道イベント一覧

新緑がまぶしい季節となりました。5月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

特急「185」投稿写真募集中!

185系による臨時特急「185」。みなさまが撮影した写真を大募集!投稿はこちらから。