JR東日本は、2014年12月に発売した「東京駅開業100周年記念Suica」について、長期間使用していない場合はカードが失効するとして、注意を呼びかけています。
この記念Suicaは、2014年に東京駅が開業100周年を迎えた際に発売したもの。当初は当日限定、1万5000枚のみの発売という触れ込みでした。しかし、100周年記念という価値か、あるいは秀逸なデザインに惹かれたためか、JR東日本の想定以上に購入希望者が殺到。駅は大混乱となり、当日の発売が中止となる事態となりました。これを受けた同社は、購入希望者全員に発売するよう方針を変更。結果、当初の約285倍となる427万枚が発売されたといいます。
ところで、Suicaを含む交通系ICカードでは、10年間利用がない場合、カードが失効する仕組みとなっています。東京駅の記念Suicaも例外ではなく、発売から10年目となる今年、その期日がやってくることになります。427万枚も売れた記念Suicaですが、2024年3月末現在、約250万枚が未使用とのこと。これらのカードが一斉に使えなくなってしまう日が近づきつつあります。
失効したSuicaは、鉄道・バスの乗車や買い物などでの利用はもちろん、カードの交換やチャージ残額の移し替えといった対応はできなくなります。駅に持ち込めば、デポジット(500円)、チャージ残高(未使用の場合は1500円)の返還は受けられますが、記念カードは回収されてしまいます。
カードの失効を防ぐために必要なのは、鉄道・バスの乗車や買い物などで利用すること。一度でも記録がつけば最終利用日が更新されるため、その日から10年間は失効しなくなります。
JR東日本は、一度も利用した記録がない記念Suicaの失効日について、複数回にわたって発売・発送し、個別に発行時期を特定できないことから、一律で2026年3月31日とすると発表しています。