鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

京急で消える「エアポート急行」の他にも かつてあった「エアポート〇〇」

2023年11月25日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

11月25日のダイヤ改正で、京浜急行電鉄の「エアポート急行」が「急行」に改称されました。京急の広報担当者によると、訪日外国人旅行者の誤乗を防ぐこと、などが改称の理由だといいます。また、改正前のダイヤにはなかった品川方面~横浜方面を直通する「急行」が新たに設定されており、改称によって種別設定の自由度も上がったようです。

京急では、今回消滅したエアポート急行のほか、品川方面と羽田空港を結ぶ「エアポート快特」を運転しています。さらに歴史をたどると、かつては「エアポート特急」という種別も存在していました。

11月25日のダイヤ改正で「急行」に改称された「エアポート急行」(右)と、改正後も残る「エアポート快特」(左)
11月25日のダイヤ改正で「急行」に改称された「エアポート急行」(右)と、改正後も残る「エアポート快特」(左)

エアポート快特(当初は「エアポート快速特急」)とエアポート特急が登場したのは、1998年のこと。羽田空港と成田空港を結ぶ列車として設定されました。当時の京急線内の停車駅は快速特急(現在の快特)と同じで、京急線内では空港へ向かう列車という意味合いが強い種別でした。一方、浅草線内では現在と同じように通過駅を設定(ただし当時は大門駅は通過)。これは浅草線開業以来初めての通過運転でした。

当時運転されていたエアポート特急は、羽田空港と青砥・京成高砂を結ぶ列車。羽田空港駅発着のエアポート特急は、京急線と京成線内は特急と、浅草線内はエアポート快特と同じ停車駅の種別で、青砥駅で京成上野~成田空港間のエアポート特急と接続していました。さらに京成でも、京成上野~成田空港間、京成上野~京成高砂間の2系統で、エアポート特急を運転していました。

現在は消滅した「エアポート特急」
現在は消滅した「エアポート特急」

その後、1999年のダイヤ改正では、京急・浅草線のエアポート特急が、エアポート快特に格上げされる形で消滅。2002年のダイヤ改正では、京成線内での対応種別が特急から快速になり、エアポート特急という種別は消滅しました。

京成では、2002年以降も「エアポート〇〇」という種別表示が使われますが、これは浅草線内をエアポート快特として走る列車のみを対象としていました。2002年当時は快速が「エアポート快速」、2010年の成田スカイアクセス線開業以降は「アクセス特急」が「エアポートアクセス特急」となり、浅草線内は各駅に停車する種別と表示は区分されていました。

飛行機マークつきの種別表示を掲げる「アクセス特急」
飛行機マークつきの種別表示を掲げる「アクセス特急」

ただし京成の場合、放送などでは元の種別通り「快速」「アクセス特急」と案内されており、表示器の飛行機マークを除き「エアポート〇〇」と呼ばれることはありませんでした。その京成では、2013年に飛行機マークの使用が取り止められ、「エアポート〇〇」は消滅しています。

なお、京急では誤乗防止などを理由にエアポート急行が改称されましたが、エアポート快特は改正後も残存。特に浅草線では、羽田空港発とはいえ、成田空港に行かないエアポート快特が運転されていますが、東京都交通局によると、「浅草線では今後も『エアポート快特』の廃止予定はない」といいます。

鉄道コムおすすめ情報

画像

京王に新型「2000系」導入へ

「ラウンド型」のデザインを持つ新型車両。2026年初めに営業運転を開始。

画像

近鉄新型の形式名は「8A系」

新型一般車両「8A系」。2024年10月に奈良線・京都線でデビュー。2025年度には名古屋線にも。

画像

西武「NRE」置き換えへ

2026年度にも新宿線の有料着席サービスを刷新。10000系「ニューレッドアロー」は置き換えへ。

画像

「表定速度」日本最速は?

「表定速度」が最も速い列車は? 新幹線と在来線の各列車を見る2024年度版ランキング

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

5月の鉄道イベント一覧

新緑がまぶしい季節となりました。5月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。