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工業地帯に息づく国鉄の面影 首都圏最後の205系

2022年5月5日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

2022年3月12日のダイヤ改正で、日光線、宇都宮線がひとつの節目を迎えました。

それは、205系車両の引退。

2013年から北関東に根づき、地域輸送を支えた彼らが、新型車両と交代するかたちで姿を消しました。これにより、首都圏で205系が走るのは、神奈川県の南武支線(尻手~浜川崎間)、鶴見線を残すのみとなりました。

鶴見線用(左)と南武支線用(右)の205系
鶴見線用(左)と南武支線用(右)の205系

205系は1985年に開発された、国鉄初の本格的なオールステンレス車両。首都圏では山手線、横浜線、埼京線などへ投入され、通勤路線のエースとして活躍を始めました。しかし、時代とともに古い車両という扱いが多くなり、2013年以降、急速に置き換えられていきました。いまも運転される南武支線と鶴見線は、古い車両が最後に集まる路線としても有名です。それは205系も例外ではなく、この2路線が、首都圏エリア最後の活躍の場となっています。

両線を走る205系は、山手線、埼京線、中央・総武緩行線用の中間車を2~3両に組みなおし、先頭部分に運転席を取りつけたもの。鶴見線の車両は側面扉の窓の大きさが編成中で異なっており、転配に苦労した当時の様子が伺えます。前面スタイルは、中間車を改造した車両に見られる独特の仕様で、路線カラーの部分にヘッドライトがある原型の姿とは大きく異なっています。

ほぼ原型の205系。埼京線からは2016年に撤退しました
ほぼ原型の205系。埼京線からは2016年に撤退しました

仙石線、奈良線では活躍が続くほか、譲渡された富士山麓電気鉄道やインドネシアではまだまだ主力を張っているものの、首都圏のJRではすっかり数が減った205系。現状、置き換えの話は聞きませんが、その活躍も長くはないのかもしれません。

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