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相鉄・東急直通線開業

運営もデザインも2社が手を組む 相鉄・東急直通線の新横浜駅を見る

2022年11月27日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

東急仕様がベースも、独自デザインも目立つホーム

地下4階のホーム階に降りてみましょう。ホームは島式2面3線で、1・2番線が相鉄線方面、3・4番線が東急線方面のホーム。2番線と3番線は同じ線路を共有する構造です。

島式2面3線のホーム
島式2面3線のホーム

ホームからトンネル方向を見ると、双方に渡り線が設けられているのがわかります。西谷方は4番線から相鉄線方面への片渡り線、日吉方は両渡り線が挿入されており、2・3番線以外での折り返し運転にも対応しています。実際、取材時間中に駅へ現れた試運転列車は、1番線から東急線方面へ、4番線から相鉄線方面へ、それぞれ折り返していく様子が見られました。開業時の通常ダイヤで使用されるかは現時点で不明ですが、異常発生時の弾力的な運用が可能となっています。

なお、新横浜駅を境に、相鉄線方面は地上信号機を設けるATS-P、東急線方面は車内信号方式のATCと、保安装置が切り替わります。一方で、東急線方面(新横浜トンネル)には列車接近を知らせる灯火が多数設けられており、トンネル内は意外とにぎやか。照明と灯火類しか見えない相鉄線方面(羽沢トンネル)とは印象が異なります。

相鉄線方面のトンネル
相鉄線方面のトンネル
信号機なし、とはいえ列車接近を知らせる灯火が賑やかな東急線方面
信号機なし、とはいえ列車接近を知らせる灯火が賑やかな東急線方面

駅構内の案内表示やサイン類は、同駅独特のものもあります。たとえば、ホームの発車標は東急のデザインで、ホームドアに貼られた号車・ドア位置も東急のもの。ですが、駅名標は東急仕様でも相鉄仕様でもない独自デザインとなっているなど、独自性が見受けられます。

液晶画面を使用した発車標。東急線と同じデザインとなっています
液晶画面を使用した発車標。東急線と同じデザインとなっています
ホームドアの号車表示も東急仕様
ホームドアの号車表示も東急仕様
駅名標は東急仕様でも相鉄仕様でもないデザイン
駅名標は東急仕様でも相鉄仕様でもないデザイン

ホームドアは日本信号製と思われるもの。東急線の他の駅同様、扉に窓が付いたタイプですが、戸袋部は濃いグレー、扉部分は白系と、両社のホームドアの折衷といえるデザインとなっています。

各線に設置されたホームドア
各線に設置されたホームドア
手動操作用のホームドア開閉ボタン
手動操作用のホームドア開閉ボタン
10両編成の先頭寄りドアは大開口仕様
10両編成の先頭寄りドアは大開口仕様
西谷方の6両編成先頭位置のホームドアは、親子構造の片開き
西谷方の6両編成先頭位置のホームドアは、親子構造の片開き

相鉄が待望していた都心直通の一翼を担う相鉄・東急直通線。その中核駅となる新横浜駅は、営業上でも列車運行上でも重要な駅となります。開業に向けた準備は大詰めを迎えており、列車の試運転は安全確認等を目的とした段階から乗務員等の習熟の段階にシフト。2023年3月の開業まで、残すところ約4か月です。

相鉄のキャラクター「そうにゃん」(左)と、東急のキャラクター「のるるん」(右)。2社のレールを繋ぐ列車が走る日はまもなく
相鉄のキャラクター「そうにゃん」(左)と、東急のキャラクター「のるるん」(右)。2社のレールを繋ぐ列車が走る日はまもなく

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