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未来の鉄道路線

万博会場や住宅街、ターミナル駅へ 延伸工事が進む西日本の3路線

2021年2月6日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

2度目の大阪万博に向けて工事中の中央線

大阪で開催される予定の「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)。この万博会場へのアクセス路線として、大阪メトロでは中央線の延伸工事を進めています。

大阪メトロ中央線
大阪メトロ中央線

万博会場となるのは、大阪港の人工島「夢洲(ゆめしま)」。この人工島内に「夢洲駅(仮称)」を設置し、現在の中央線の終点であるコスモスクエア駅までの約3キロの新線を建設する計画です。

夢洲では、2025年の万博のほかにも、カジノなどの統合型リゾート(IR)を建設する計画で、このIRと絡めた周辺開発が進められる予定となっています。大阪メトロでも、「夢洲駅タワービル」を建設するなど、夢洲の開発に参画していくと2019年に発表しています。

「開放的で出会いの予感に満ちた駅」を目指す夢洲駅のイメージ(画像:大阪メトロ)
「開放的で出会いの予感に満ちた駅」を目指す夢洲駅のイメージ(画像:大阪メトロ)
夢洲駅と一体で建設する予定の「夢洲駅タワービル」のイメージ。大阪を一望できる展望台や、マーケットプレイスなどを設置するといいます(画像:大阪メトロ)
夢洲駅と一体で建設する予定の「夢洲駅タワービル」のイメージ。大阪を一望できる展望台や、マーケットプレイスなどを設置するといいます(画像:大阪メトロ)

中央線の延伸部分については、コスモスクエアが所在する咲洲(さきしま)と夢洲を結ぶ道路用トンネル「夢咲トンネル」にて、鉄道敷設空間が既に準備済み。加えて、2021年1月時点では、夢洲駅の工事が進められている段階です。

工事中の夢洲駅付近(2021年1月撮影)
工事中の夢洲駅付近(2021年1月撮影)

なお、このコスモスクエア~夢洲間の路線については、もともとは第三セクターの大阪港トランスポートシステム(OTS)が鉄道事業免許を申請した「北港テクノポート線」(コスモスクエア~夢洲~新桜島間)というもの。現在も免許を有しているのはOTSで、工事現場の看板にも、中央線ではなく「北港テクノポート線インフラ部整備工事」と記載されています。

「北港テクノポート線インフラ部整備工事」と記載されている工事現場の看板(2021年1月撮影)
「北港テクノポート線インフラ部整備工事」と記載されている工事現場の看板(2021年1月撮影)

1997年に開業した大阪港~コスモスクエア間は、当初は大阪市営地下鉄(当時)中央線ではなく、OTSの1路線である「OTSテクノポート線」となっていました。しかしながら、中央線とOTS線をまたがって乗車する場合、初乗り運賃が2回請求され、割高になることから、大阪市交通局がOTS線を編入。同区間は2005年より、OTSが設備を保有する第3種鉄道事業者、大阪市交通局→大阪メトロが列車を運行する第2種鉄道事業者となっています。

現在建設が進められているコスモスクエア~夢洲間については、先述のように、OTSが鉄道事業免許を保有しています。この区間が開業する際、大阪港~コスモスクエア間のようにOTSが第3種鉄道事業者となるのか、あるいは別の方法で運営されるのかは、現時点では発表がありません。

コスモスクエア~夢洲間の開業は、2024年度を予定。また、中央線と相互直通運転を実施している近畿日本鉄道では、第3軌条方式の中央線・近鉄けいはんな線と、その他の架線集電式の路線を直通できる車両を開発し、夢洲へ乗り入れる計画を、2019年に「新『近鉄グループ経営計画』」 にて発表しています。

なお、新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化やIRの誘致遅れの影響で、大阪メトロの夢洲駅タワービルの建設や近畿日本鉄道の直通車両の開発は、当初の計画を見直す動きも出ています。

 

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