番外編:2編成のみ在籍する車両たち
ここまでは1編成のみが在籍する車両に絞ってご紹介してきましたが、同じような都合で、2編成のみの在籍となっている例もあります。
1997年に秋田新幹線「こまち」でデビューしたE3系0番台は、2014年に秋田新幹線の運用から退きましたが、2編成が増結用編成として残存。現在も、東北新幹線の「やまびこ」「なすの」で、E5系と連結して運用に就いています。
1995年にデビューした新潟エリアのE127系0番台は、13編成26両が製造されましたが、うち10編成は北陸新幹線延伸開業によるえちごトキめき鉄道の発足にともない、2015年に同社へ10編成が譲渡されました。また、2008年に発生した踏切事故によって、1編成は既に廃車済み。JR東日本に残された2編成は、弥彦線などで細々と運転されています。
常磐緩行線の増発用として、1999年に2編成のみ製造された209系1000番台。JR・東京メトロ・小田急の3社車両による相互直通運転が始まったことで所要本数が削減された、などの理由で、2018年に常磐線から撤退しました。その後、グリーン車組み込み工事に向けて予備車が必要だった中央快速線に転属。2019年より、運用が限定された形で運転されています。
西武鉄道の6000系は、東武9000系と同じく、地下鉄有楽町線や副都心線、東急東横線などへの直通運転に対応した車両です。しかしながら、6101・6102編成の2編成は、試作車的な車両ということもあってか、直通運転には対応しない仕様となっています。池袋線に所属する他の編成と異なり、6101・6102編成の2編成は、新宿線や拝島線で活躍しています。
1編成のみが在籍する場合は、他の車両とは共通の運用に就いていることがほとんどで、西武6000系の2編成も、新宿線所属の他形式と共通運用です。一方で、E3系やE127系、209系1000番台は、他の形式とは性能や車両設備などが異なるため、運用が分けられています。これは、理論上は1編成のみでまかなえる運用ですが、検査時などには予備車が必要となるため、同一形式が2編成残された形となっています。