トンネルを抜けた先の黒部ダム
ちょっとした運動にもなりそうな階段を登ると、大迫力の黒部ダムが姿を現わします。アーチ式のコンクリート製ダムは、高さ186メートル、堤頂幅492メートルと大スケール。なみなみと湛えられたダム湖の黒部湖ともども、来訪客を圧倒します。なお、黒部ダムといえば放流する姿をイメージする方も多いですが、この「観光放流」は6月下旬から10月中旬までと期間が定めれているもの。来訪日は、残念ながら観光放流が開始される前で、毎秒10立法メートル~15立法メートルという大量の水が噴出する様子を見ることはできませんでした。
急峻な黒部渓谷にそびえる黒部ダムは、関電トンネルに匹敵する難工事となりました。取水口付近の慰霊碑や、両岸に今も残るクレーンの基礎、工事で使用された巨大なバケットなどが、当時の激しい工事を今に伝えてくれます。
黒部ダムとセットで建設された黒部川第四発電所は、この黒部ダムの下流約10キロメートルの地点に設けられています。ダム湖の取水口から導水路に入った黒部川の水は、有効落差545.5メートルの勾配を下り、発電所で最大335,000キロワットの電力を生み出します。この発電所は通常非公開ですが、春から秋にかけて開催される「黒部ルート見学会」に当選すれば、黒部渓谷鉄道の専用鉄道区間である「上部軌道」やインクラインと共に、巨大な発電所の発電機室を見学することが可能です。
他にも見どころ満載、立山黒部アルペンルート
さて、ここまで関電トロリーバスや黒部ダムを紹介してきましたが、立山黒部アルペンルートの魅力はこれだけではありません。雄大な自然のほか、いくつもの乗り物を乗り継ぐルートは、ファンにもたまらない道のりです。
雄大な自然や息をのむ迫力の黒部ダム、そして数々の乗り物など、立山黒部アルペンルートには魅力が満載。トロバスラストイヤーを迎える今年の夏、黒部へ出向いてみるのはいかがでしょうか。