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桜の名所は風景よし!保存車あり!乗り物あり! 「花より鉄道」な人も楽しめる「鉄分満点公園」

2024年3月20日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

いつの時代も、小さい子は遊び盛り。お子さんが鉄道好きの場合、保護者のみなさんは

「鉄道を間近に感じられる公園があれば、遊具での遊びも含めて子どもも大満足なのにな……」

と思ったこともあるのではないでしょうか。ですが、鉄道を身近に感じられて、かつ、子ども用の遊具があるような都合のよい場所など……、あります、ちゃんと。

今回ご紹介するのは、東京都北区の飛鳥山公園。JR王子駅のホームからも見えるこの公園は、23区内でも敷地が比較的大きく、大型遊具もそろっている、都民の憩いの場のひとつです。

鉄道ファン視点におけるこの公園の魅力は、

  • 保存車両が置かれている
  • 公園の横をゆく列車たちを眺められる
  • 小さなモノレールのような乗り物がある

の3点でしょう。

公園の頂上に大きな遊具があるのですが、その横にはD51形蒸気機関車と、都電荒川線を引退した6080号車が展示されています。日中の時間帯は車内に入ることもでき、古い車両を心ゆくまで堪能できます。6080号車には座席も残されているので、子どもが遊び疲れたときの休憩場所としても使えます。

大盛況の、飛鳥山公園の遊具付近。保存されている都電6080号車が、子どもたちを見守っています
大盛況の、飛鳥山公園の遊具付近。保存されている都電6080号車が、子どもたちを見守っています

また、公園のすぐ横を都電荒川線が走っており、公園の西端や近くの歩道橋からは、自動車とともに道路上を走る電車を見ることができます。この場所は保存車両の展示場所から離れているので、保存車両と現役の荒川線を一緒に見ることはできません。

そして興味深いのが、「あすかパークレール」。王子駅西側と公園の頂上付近を結ぶモノレールのような乗り物で、車両には「アスカルゴ」という愛称があります。これは、飛鳥山周辺に坂や階段が多く、高齢者、障害者、ベビーカー利用者でも気軽に公園を利用できるように設置されたもの。あくまで公園施設の一部であり、正式な鉄道ではないのですが、乗ってみると、ちょっとしたモノレール気分を味わえます。

無料で乗れるモノレール……のようなもの。「アスカルゴ」という愛称がついています
無料で乗れるモノレール……のようなもの。「アスカルゴ」という愛称がついています

公園頂上の乗車場所付近では、右手にJR線や東北新幹線などの線路が見えます。運がよければ、乗車を待つ間やアスカルゴの車内で、何かしらの列車が走るところを見られるかも?なお、アスカルゴの乗車は無料ですが、混雑時は高齢者や体の不自由な人を優先的に案内することもあるようです。

公園頂上の乗車場所付近にて。JRや都電の列車が行き交う光景を見ることができます
公園頂上の乗車場所付近にて。JRや都電の列車が行き交う光景を見ることができます

保存車両や近くを走る列車と触れ合うことができ、さらに無料で乗り物にも乗れてしまう飛鳥山公園。ここは桜の名所でもあり、春には多くの人が集まりますが、「花より鉄道」な人も、十二分に楽しむことができる公園です。自然の美しさだけでなく、「鉄分」も満点な公園といえるでしょう。

飛鳥山公園の最寄り駅は、JR・東京メトロ王子駅、都電荒川線の王子駅前停留場、飛鳥山停留場など。アスカルゴに乗る場合は、JR王子駅の利用が便利です。

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