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消えゆく安全の守り神 ホーム端の白い線に思う

2022年5月3日(祝) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

ホームで列車を待っていると、「黄色い線の内側へお下がりください」というアナウンスがよく聞かれます。「黄色い線」の部分が「黄色い点字ブロック、点字タイル、点状ブロック」などのケースもありますが、基本的には点字ブロックの内側へ下がることを促しています。ですが、1990年代以前に生まれた方は、「白線の内側へお下がりください」も聞きなじみがあるのではないでしょうか。

足元の白線が残るホーム(点字ブロックと車両の間の白い点線)
足元の白線が残るホーム(点字ブロックと車両の間の白い点線)

かつて、ホームには安全確保の目安として白い線が引かれていましたが、黄色い点字ブロックはありませんでした。しかし、1990年代から点字ブロックを併設する駅が増加。さらに2000年には、「交通バリアフリー法」により、新設するホームへの設置義務、既存の駅にも追加する努力目標の2点が課されました。点字ブロックの設置場所は、端から80センチ~1メートルほどの地点。もともと書かれていた白線と似たところだったためか、こちらを下がるときの目安にすることが増えていったのです。実際、JR東日本では、1990年代中頃の時点で「黄色い線の内側へ」というアナウンスが使われていました。

さらに、現在はホームドアなども増え、白線の役目はほとんど失われてしまいました。改良工事などを機に撤去される駅も多くなっています。これからさらに姿を減らすであろう、ホーム端の白い線。かつて人々を守っていた安全の守り神を見られる日々も、長くないのかもしれません。

白線がなくなったホーム
白線がなくなったホーム

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