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磐越西線「非電力化」へ JR東日本が掲げる架線レス

2021年8月8日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

磐越西線(イメージ)
磐越西線(イメージ)

JR東日本が、磐越西線の会津若松~喜多方間の「非電力化」を検討しているという報道がありました。電化設備を廃止することで、コスト削減や架線事故をなくすことが目的だといいます。

磐越西線は、郡山~会津若松~新津間を結ぶ路線で、郡山~会津若松~喜多方間が電化区間、喜多方~新津間が非電化区間ですが、これが実現すると、郡山方面と喜多方駅の間で、一般の「電車」による直通列車を運転することができなくなります。喜多方市議会においても、この点を問題視し、通勤通学や観光に影響が出るとしています。

一方、2021年3月改正ダイヤにおいては、会津若松~喜多方間上下各15本(定期列車のみ)のうち、電車は上下各2本のみ。かつてのように優等列車が運転されているならともかく、この運転本数であれば、電化設備を廃し、気動車へ統一することで効率化を図るのは妥当といえます。

JR東日本では、以前より「設備のスリム化」として電化路線の架線レス化を検討しており、今回の磐越西線のものが実現すると、初の事例となります。既存の運転系統の兼ね合いから、今後も他の路線へと急速に広まるとは考えづらいですが、たとえば水戸線のような高価な交直流車両を使用している路線や、蓄電池式電車「ACCUM」の航続距離で対応できる鶴見線、南武支線といった短距離路線などが、「非電力化」の候補となると考えられます。

蓄電池式電車「ACCUM」
蓄電池式電車「ACCUM」

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