先日、筆者の自家用車を車検に出した際、「ブレーキパッドがすり減っているので、次回の車検時には変える必要がある」と言われました。せっかく変えるのであれば、何かいいものを使ってみたい、と思うのが、クルマ好きの性。耐摩耗性やダストの少なさなど、性能がいいものを……と色々探し始めてしまいました。
ところで、自動車用のブレーキといえば、数々の高性能車に採用されている「ブレンボ」が有名ですが、日本にも高性能なブレーキシステムを製造するメーカーがあります。自動車向けでは「akebono」のブランドで知られる曙ブレーキ工業です。同社のブレーキシステムは、トヨタや日産、ホンダといった自動車メーカー各社の一般自動車はもちろん、ヨーロッパのスーパーカーや、F1マシンにも採用されています。
そんな曙ブレーキ工業は、鉄道車両用のブレーキも製造しています。在来線用の制輪子やディスクブレーキライニング(いずれも摩擦材)はもちろん、最高時速320キロで走るE5系や、最新型の車両であるN700Sも手掛けているとのこと。同社の製品は、1958年に運転を開始し、東京~大阪間の日帰りを可能としたビジネス特急「こだま」や、1992年にデビューした300系、さらには台湾などの海外へ輸出された高速鉄道車両など、長い歴史と多くの実績を持っています。
新幹線からスポーツカーまで、さまざまな車両を「止める」曙ブレーキ工業のブレーキは、日本の陸上交通の安全を支えています。