国の文化審議会は9日、JR東日本が所有する電気機関車2両を、重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。対象は、「ED40形式10号電気機関車」と、「ED16形式1号電気機関車」。
ED40形は、信越本線横川～軽井沢間にあった急こう配区間用の電気機関車として、1919年から製造された国鉄初の本線用国産電気機関車。急こう配対策として「アプト式」を採用したほか、パンタグラフの他に第三軌条用の集電靴を設けているのが特徴。今回答申に盛り込まれた10号機は、1921年に製造後、東武鉄道に移籍するなどの変遷を経た後、2007年より鉄道博物館で保存されている。
ED16形は、小型の勾配線・貨物列車用電気機関車として1931年から製造され、電気機関車国産化の基礎を築いた形式。答申に盛り込まれた1号機は、甲府機関区や鳳電車区、八王子機関区などへの配属を経て、1980年より青梅鉄道記念公園に保存されている。
2両は、いずれも準鉄道記念物として登録されているが、今回の答申により、重要文化財（美術工芸品）に指定される。正式な重要文化財への指定は、官報に掲載後となる。また、今回の答申では、「旧赤城山鋼索鉄道赤城山頂駅駅舎及びプラットホーム」、「JR小浜線松尾寺駅旧本屋」の2件も、登録有形文化財（建造物）として盛り込まれている。
