鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

福知山エリアの「113系」1編成が2024年度内に廃車へ 終焉近づく国鉄近郊型の代表形式

2024年3月31日(日) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

1963年に登場した、国鉄型の近郊電車「113系」。東海道本線や山陽本線、横須賀線、湖西線など、比較的な平坦な中長距離・郊外路線に投入され、高度経済成長期以降の需要を支えてきました。そんな113系も、今年でデビューから61年。さすがに導入初期の車両は残存していませんが、現役車両も既に大ベテランの域に達しており、置き換えが進められています。

113系が現在残るのは、JR西日本の福知山エリアと岡山エリアのみ。前者の5300番台は、山陰本線や舞鶴線、京都丹後鉄道宮福線で運用に就いています。宮福線では、快速「大江山」でも使われており、113系最後の速達列車運用となっています。

福知山エリアで活躍する113系5300番台(画像:JR西日本)
福知山エリアで活躍する113系5300番台(画像:JR西日本)

その福知山エリアで活躍する113系5300番台ですが、京都鉄道博物館が3月28日、同形式を管内で特別展示すると発表。その際、「今回展示する編成は2024年度中の廃車が予定されています」と説明されました。

「福知山の113系が全廃か」と早とちりした筆者ですが、JR西日本によると、2024年度中に廃車となるのは、今回展示されるクモハ113-5305+クモハ112-5305の2両編成1本のみということ。単純に、運用のやりくりによって1編成が余剰となるため、廃車にするということのようです。

とはいえ、福知山エリアの113系は、今回引退が発表された編成を含め、2両編成6本という小所帯。置き換えが始まれば、すぐに全車引退してもおかしくありません。113系が活躍するもう一つ地域である岡山エリアでも、現在は227系「Urara」の新製投入による置き換えが進行中。いずれにせよ、113系の運用終了は、そう遠くない時期なのかもしれません。

京都エリアで見られた、4両編成の113系。このグループは、2023年3月に引退しています
京都エリアで見られた、4両編成の113系。このグループは、2023年3月に引退しています

近年は「サイレント引退」する車両も増えていますが、それでも運用末期となれば最後に乗りたい・撮りたいというファンが集まり、時には残念ながら問題が発生することもあります。113系のような先が短いことが明白な車両たちには、今のうちに会いに行ってみてはいかがでしょうか。

京都鉄道博物館での113系の展示期間は、5月16日から21日まで。期間中は車内公開を実施するほか、運転台を見学できる入館券の設定、113系グッズの販売も予定されています。

鉄道コムの最新情報を無料でお知らせしますプッシュ通知を受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

「ドクターイエロー」引退発表

東海道・山陽新幹線の「ドクターイエロー」、2027年以降の完全引退発表。代替車は?

画像

京阪2200系復刻塗装

デビュー60周年の記念企画。2200系7両編成1本の塗装や車外銘板などを、1988年当時の仕様に復刻。

画像

「モード」を使いこなそう

カメラの設定は意外と知らずに使っている人も? 上達に不可欠なモード設定について、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

ビューさざなみ・わかしお復活

定期運用を退いた255系による臨時特急。9月7日に東京~館山間、8日に東京~安房鴨川間で運転。

画像

性能が良すぎて失敗?

JR貨物発足初期の機関車には、性能が良すぎて失敗した形式が。そんな3兄弟をご紹介します。

画像

6月の鉄道イベント一覧

梅雨のシーズンでもイベントは多数開催。6月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

381系ラストラン写真募集中!

いよいよ定期運用終了の381系。みなさまが撮影した写真を大募集!投稿はこちらから。