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「103系」デザインのりんかい線1日乗車券が発売 鉄道ファンがザワついた理由とは

2023年12月23日(土) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

りんかい線を運行する東京臨海高速鉄道では、103系デザインの1日乗車券を、12月23日に発売しました。

東京臨海高速鉄道の70-000形
東京臨海高速鉄道の70-000形

このデザインは、同人誌即売会「コミックマーケット」(コミケ)のカタログ表紙デザインを使用したもの。コミケ開催にあわせて毎回発売されているきっぷなのですが、今回のコミケは第103回ということで、カタログ表紙も103系になったというわけです。

「C103」開催にあわせて発売されたりんかい線1日乗車券。103系デザインです(画像:東京臨海高速鉄道)
「C103」開催にあわせて発売されたりんかい線1日乗車券。103系デザインです(画像:東京臨海高速鉄道)

SNSでは、103系デザインのきっぷであるということに加え、「りんかい線と103系」という点でも話題になっています。実はかつて、りんかい線で103系が使われる予定があった、というウワサがあるのです。

りんかい線は臨海副都心の開発にあわせて整備(建設済みだった未成線を活用)された路線ですが、その臨海副都心、現在のお台場では、開発の起爆剤にするため、博覧会の開催が計画されていました。「世界都市博覧会」、通称「都市博」です。今も使われている国際展示場(東京ビッグサイト)を展示会場とするほか、お台場全体にパビリオンを整備するという構想でした。かなり具体的な検討が進んでいた都市博でしたが、青島幸男氏が都知事選で「都市博中止」を公約に掲げ当選したことで、開催は幻となってしまいました。

都市博が開催されていれば、りんかい線は重要なアクセス路線となるはずでした。現実の開業時、70-000形は4両編成4本が投入されましたが、都市博開催時には同形式6両編成2本に加え、JR東日本から6両編成3本を借用する予定だったと伝えられています(運転協会誌N0.430号、鉄道ジャーナル344号)。

当時の雑誌類では、具体的な借用形式への言及はありませんが、現在のネット上では、「借用する車両は松戸電車区の103系だった」とする情報が流れています。

りんかい線を103系が走っていたかも?(画像はJR西日本の車両)
りんかい線を103系が走っていたかも?(画像はJR西日本の車両)

1990年代前半、JR東日本では京浜東北線へ209系を投入しており、103系は余剰が発生している状態でした。また、1995年にはE501系が勝田電車区に配置されています。こちらは415系を置き換えた車両ですが、当初は103系を置き換える予定だったと、当時の記事に言及が見られます。さらには、東西線直通用の103系・301系が1991年に全編成10両へと組み替えられており、この際に103系1200番台5両編成2本が、松戸電車区へと転出しています。

公式に刊行された書籍においては、「東京臨海高速鉄道が103系を借用する」とした記述はないようで、松戸電車区の車両が対象だったのかも不明です。とはいえ、当時は103系が余り気味だった時代。線路がつながっており、検査を委託していた車両基地のある京葉線でも、当時は103系が活躍していたため、さまざまな面で都合が良かったのではないでしょうか。

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