鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

「高齢者=シルバー」は電車の座席が由来だった 日本の「優先席」導入から50周年

2023年9月15日(金) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

お年寄りや、妊婦の方、体が不自由な方などに、席を譲ることを推奨する「優先席」。9月15日で、前身の「シルバーシート」導入から50周年を迎えました。

「優先席(=シルバーシート)」を始めて導入した中央線快速電車の車両
「優先席(=シルバーシート)」を始めて導入した中央線快速電車の車両

シルバーシートが導入されたのは、1973年9月15日の「敬老の日」のこと。国鉄の中央線快速電車と、伊豆箱根鉄道の駿豆線・大雄山線に導入されました。当初は名前の通りお年寄りのみを対象としていたのですが、現在では先述した通り、体が不自由な方など、席を必要とするさまざまな人が対象となっています。また、札幌市営地下鉄では、優先席ではなく「専用席」として導入。このほか、かつての阪急電鉄などでは、全席を優先席としていたこともありました。

ところで、シルバーシートの名前の由来は何なのでしょうか。お年寄り=シルバーを対象とした座席だから?いえいえ、実は、お年寄りをシルバーと呼ぶようになったのは、このシルバーシートの名前が由来。電車の座席名称の方が先に登場していたのでした。

シルバーシートという名前になったのは、国鉄がこの座席を導入する際に、他の席と区別するため、銀色の座席モケットを使用したことが理由。このモケットの出所は、東海道新幹線の初代車両である0系。たまたま余っていた新幹線用のモケットを転用したことで、この名前が生まれたのです。

新幹線0系の座席。このモケットが「シルバーシート」に転用されました
新幹線0系の座席。このモケットが「シルバーシート」に転用されました

さて、私鉄で初めてシルバーシート=優先席を導入した伊豆箱根鉄道では、導入50周年にあわせ、優先席の啓発活動ステッカーを各車両の優先席付近に掲出するということ。日本では存在を認知されている優先席ですが、あらためて譲り合いの精神を呼びかけ、車内のマナー向上を目指すとしています。

鉄道コムの最新情報を無料でお知らせしますプッシュ通知を受け取りますか?

鉄道コムおすすめ情報

画像

「ドクターイエロー」引退発表

東海道・山陽新幹線の「ドクターイエロー」、2027年以降の完全引退発表。代替車は?

画像

京阪2200系復刻塗装

デビュー60周年の記念企画。2200系7両編成1本の塗装や車外銘板などを、1988年当時の仕様に復刻。

画像

「モード」を使いこなそう

カメラの設定は意外と知らずに使っている人も? 上達に不可欠なモード設定について、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

ビューさざなみ・わかしお復活

定期運用を退いた255系による臨時特急。9月7日に東京~館山間、8日に東京~安房鴨川間で運転。

画像

性能が良すぎて失敗?

JR貨物発足初期の機関車には、性能が良すぎて失敗した形式が。そんな3兄弟をご紹介します。

画像

6月の鉄道イベント一覧

梅雨のシーズンでもイベントは多数開催。6月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

381系ラストラン写真募集中!

いよいよ定期運用終了の381系。みなさまが撮影した写真を大募集!投稿はこちらから。