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南海6000系、いよいよ最後の花道か まもなく登場、無塗装復刻車両

2023年9月4日(月) 鉄道コムスタッフ 井上拓己

8月上旬、南海電気鉄道からひとつのニュースが発表されました。

それは、高野線6000系車両で「無塗装スタイル」を復刻し、9月11日に運転を開始するというもの。

6000系は、1962年にデビューした高野線向けの車両。構成部品の多くをステンレスとする「オールステンレス」車体が採用され、同時期に登場した東急初代7000系、京王3000系などとともに、オールステンレス車両の黎明期を飾りました。その後、台車の交換、行先表示幕やエアコンの搭載などを経て、近年の置き換えが始まるまでの約60年間、ひたすら高野線を走り続けてきました。

南海6000系の、無塗装の姿(左)と現在の姿(右)(無塗装スタイルの画像:南海電気鉄道)
南海6000系の、無塗装の姿(左)と現在の姿(右)(無塗装スタイルの画像:南海電気鉄道)

現在のカラーリングは1992年以降に施されたもので、それまではカラーが一切入っていない、無塗装のスタイルでした。今回復刻されるのは、台車交換ずみ、行先幕とエアコンありという、約30年前に見られた塗装変更直前の姿ということになります。

南海では過去に、本線系統で複数のリバイバル企画が見られました。直近では2015年、7000系7037編成と10000系10004編成を昔の塗装(グリーン系)に戻しています。このとき、両編成は基本的に連結された状態で、特急「サザン」を中心に運用されましたが、車両運用の都合上、現行塗装の車両とも一時的にコンビを組んでいました。今回登場する6000系の復刻スタイルは、2両編成と4両編成が1本ずつ。復刻車両だけの6両編成を組み続けるのか、ほかの車両と組むこともあるのか、その動きにも注目です。

2015年に復刻塗装が施された7000系。かつて本線系統の標準色だったグリーン系の配色が再現されていました
2015年に復刻塗装が施された7000系。かつて本線系統の標準色だったグリーン系の配色が再現されていました

2023年7月時点で、残る6000系は30両。最大72両を数えた同形式も、その勢力は半分以下にまで落ちています。完全引退も近いと思われるいま、この無塗装スタイルへの復刻が、最後の花道になるのでしょう。無塗装スタイルで走る期間は明示されていませんが、「当面の間」この姿が見られるとのこと。焦る必要はありません。駅、線路沿いともにマナーを守り、6000系に残された日々を温かいものにしていきたいですね。

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