鉄道コムおかげさまで鉄道コムは25周年

鉄道コらム

鉄道会社の直通運転、実は乗務員の「乗り入れ」も

2023年1月9日(祝) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

ある会社の車両が別の会社に乗り入れる直通運転。一部の路線では、車両だけでなく、乗務員も他の会社へそのまま乗り入れ、業務を担当することがあります。

たとえば北陸新幹線です。JR東日本とJR西日本にまたがる北陸新幹線は、上越妙高駅が両社の境界。ですが、速達種別の「かがやき」は、同駅には停車しません。そのため、全ての列車が停車する長野駅が、両社乗務員の交代駅に。長野~上越妙高間は、JR東日本の路線でありながら、JR西日本の乗務員が基本的に担当しているのです。

JR西日本の乗務員が一部で「越境乗務」する北陸新幹線
JR西日本の乗務員が一部で「越境乗務」する北陸新幹線

このような乗務員の乗り入れは、「越境乗務」と呼ばれます。先に挙げた北陸新幹線のほか、小田急電鉄と箱根登山鉄道(小田原~箱根湯本間)、JR東海と伊勢鉄道(四日市~河原田~津間)、JR四国と土佐くろしお鉄道(若井~窪川間)など、そのほとんどが効率上の理由で実施されています。

現代ではほとんどが最小限の実施となっている越境乗務ですが、車掌の場合、かつては超広範囲での乗務行路もありました。国鉄時代、たとえば東京車掌区所属の車掌が寝台列車で九州まで乗務する、といった運用が組まれており、これが分割民営化後のJRにも引き継がれたのです。九州方面のブルートレインのように他社へ乗り入れる運用のほか、自社線完結ながら、上野~青森間の「あけぼの」を全区間担当する、といった地方をまたがる運用もありました。

JR西日本の車掌が東京駅まで越境乗務していた「サンライズ瀬戸・出雲」
JR西日本の車掌が東京駅まで越境乗務していた「サンライズ瀬戸・出雲」

しかし、寝台列車の減少によってこのような越境乗務も減少し、2015年に「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の担当が会社ごとに分割され消滅。現在は、「TRAIN SUITE 四季島」のような特殊例を残すのみとなってしまいました。

鉄道コムおすすめ情報

画像

113系福知山色復刻

福知山地区で活躍する113系で「福知山色」が復刻。6月5日から山陰本線などで運転。

画像

京都鉄道博物館で12系展示

京都鉄道博物館で12系の展示や「SLスチーム号」客車変更など実施。オハフ12形は夏に廃車予定。

画像

3200形「フレキシブルに変更」の意味は?

京成電鉄の新型車両「3200形」。組成内容や連結器の秘密を同社に聞きました。

画像

「キャニオンルート」年内断念

新たな観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」、黒部峡谷鉄道の鉄橋被災で年内開放を断念。

画像

あえて「車両が無い」鉄道写真

鉄道写真は、車両が写っている写真だけではありません。列車以外の鉄道写真の撮り方を、カメラマンの助川さんが解説します。

画像

6月の鉄道イベント一覧

梅雨のシーズンでもイベントは多数開催。6月のプラン立てには、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。

画像

相鉄10000系リバイバル車投稿写真募集中!

相鉄10000系のリバイバルラッピング車両。みなさまが撮影した写真を大募集!投稿はこちらから。