つくばエクスプレスの新型車両、TX-3000系を詳しく見る

2019年10月28日(月) 鉄道コムスタッフ

つくばエクスプレスを運行している首都圏新都市鉄道は10月25日、新型車両「TX-3000系」を報道陣に公開しました。つくばエクスプレス線の開業後としては初の導入となる新形式車両、その車内外をご紹介します。

つくばエクスプレスの新型車両、TX-3000系
つくばエクスプレスの新型車両、TX-3000系

継承、進化、洗練

TX-3000系の車両コンセプトは、継承、進化、洗練の3つ。既存車両のTX-1000系とTX-2000系のイメージを継承し、シリーズ性を感じさせながらも、技術の進化にあわせて最新技術を採用。さらに、洗練した車両に「良い印象」を残し、次世代につなげることを目指すといいます。

外観は、銀色の車体や流線型の先頭部など、既存車両の基本構成を継承しています。一方で、先頭部の傾斜強化やヘッドライトの形状変更により先鋭感を強調したほか、ブルーとレッドのラインを斜めに配し、スピード感を表現しています。

車内は、清潔感や開放感のあるデザインとし、沿線との一体感を表現しています。

首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス TX-3000系 客室内 - Spherical Image - RICOH THETA

表示器では、停車駅や駅設備などの案内が4か国語で提供可能。また、画面左側に広告映像を、右側に各種案内を、それぞれ同時に表示することもできます。なお、広告映像の伝送は、他社のようなミリ波伝送装置やWiMAX回線を使用するのではなく、車両基地にてサーバーからデータをダウンロードする方式とのこと。そのため、リアルタイムなニュースの放映や、他社線などの運行情報の表示には対応していないとのことでした。

座席も進化しています。座面はクッション性が改良され、快適性が向上。袖仕切りや座席上の荷物棚には強化ガラスが用いられており、開放感が増しています。車端部に設けられた優先席は、一部がUD(ユニバーサルデザイン)シートとなりました。他の座席よりも座面が高く、浅く腰掛ける形状となっており、立ち座りしやすいものとなっています。

なお、座席は全車がロングシートとなっています。TX-2000系は一部車両にてセミクロスシートを採用して製造されましたが、TX-3000系では混雑緩和のためにロングシートのみに変更されました。なお、TX-2000系も混雑対応策として順次ロングシート化が進められており、2019年10月現在、セミクロスシートが残存しているのは2編成のみとなっています。

混雑への対応策としては、吊革の増設も挙げられます。握り位置の高さも調整されており、誰でも掴みやすい位置となりました。

余談ですが、TX-3000系は既存車両より客室定員が減少しているとのこと。これは、ドア上に液晶車内案内表示器を設置したことによるものです。客室定員は、高さ190センチ以上が確保されている空間の床面積から算出しているそうなのですが、既存車両よりも案内表示器が大型化したことにより、ドア前の空間が190センチを割ってしまったことが原因です。とはいえ、この空間も185センチ以上の高さは確保されており、首都圏新都市鉄道の担当者は、「実際の乗車可能人数は既存車両と変わりはない」と説明していました。

グラスコクピットとなった運転席

乗務員室は既存車両と基本構成が同一ですが、新技術の導入により、進化した点が見られます。

TX-3000系では、車両情報制御装置に日立製の「Synaptra(シナプトラ)」を採用。モニタ画面が既存車両の1枚から3枚へと増え、速度計や電圧計、圧力計などの計器類が画面に表示されるようになりました。3枚の画面は表示内容に互換性があり、仮にいずれかの画面が故障した場合でも、他の画面に表示できる機能を有しています。

TX-3000系の乗務員室
TX-3000系の乗務員室

主幹制御器(マスコン)は、カム式から非接触式に変更。運転操作が軽くなったほか、メンテナンス性も向上しています。

また、乗務員室には新たに前方監視カメラ(ドライブレコーダー)が設置されました。異常発生時、たとえば万が一の人身事故発生時などにおいて、映像を確認することにより、発生時の状況を確認できます。

機器面では、主制御装置にSiC素子を適用した2レベルPWM制御のVVVFインバータを採用。既存車両よりも消費電力量を約13%削減しています。設計最高速度は時速130キロで、既存車両と同一。TX-2000系と同様の交直流車で、秋葉原~つくば間の全線を走行できます。

今後の予定は

首都圏新都市鉄道では、激化するつくばエクスプレスの混雑緩和のため、「25本化事業」を進めています。朝ラッシュ時間帯の最混雑区間となる青井~北千住間の1時間あたり運行本数を、現在の22本から25本へと増やす計画で、TX-3000系の投入はその一環です。車両の投入と並行し、つくばエクスプレス総合基地の留置線を3線増設したほか、変電所の増強も行われています。

同社ではこれに加えて、「8両編成化事業」も進行中です。つくばエクスプレス沿線では2030年代まで人口が増加し続ける予想となっており、抜本的な混雑緩和対策として、2030年代前半を目標として計画が進められています。TX-3000系も将来の8両編成化に対応しており、2030年代には中間車を増結することが見込まれています。

TX-3000系は、2019年度内に6両編成5本を導入予定。第1陣となるTX-81編成は9月に総合基地で搬入済みで、残る編成も、TX-82・83編成は12月下旬に、TX-84・85編成は2020年1月下旬に、それぞれ搬入を予定しています。

営業運転の開始は、2020年3月の予定。同時期に25本化事業にともなうダイヤ改正も実施される予定となっています。営業運転開始に先立ち、11月3日に開催される「つくばエクスプレスまつり2019」にて、TX-3000系が一般に初めて公開される予定です。

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