船を使ってショートカット! 鉄道とあわせて使いたいフェリー

2018年8月17日(金) 鉄道コムスタッフ

関西から四国西部への移動はコレ! 四国オレンジフェリー

瀬戸内海航路は、多くのフェリーが就航するゴールデンルート。関西と九州を結ぶ航路のほか、関西と四国、四国と九州など、多数の航路が設定されています。このうち大阪南港と愛媛県の東予港を結ぶ四国オレンジフェリーは、関西と四国西部の移動に最適です。

四国オレンジフェリーの「おれんじ7」(提供:四国開発フェリー)
四国オレンジフェリーの「おれんじ7」(提供:四国開発フェリー)

「おれんじ7」と「おれんじ8」の2隻が就航する大阪南港~東予港の航路。上下便ともに夜行便で運航しており、所要時間も比較的短いため、夜間に効率よく移動することができます。

就航する2隻は、準同型の姉妹船。一部設備は異なりますが、船室の等級は共通です。リーズナブルに利用するならば、二段ベッドが配置された2等寝台や、カーペットタイプの2等指定がオススメです。船内にはこのほか、展望バスルームやスカイラウンジ、カフェテリアタイプのレストランが備えられています。

2等寝台(提供:四国開発フェリー)
2等寝台(提供:四国開発フェリー)
2等指定(提供:四国開発フェリー)
2等指定(提供:四国開発フェリー)

オレンジフェリーが使用する大阪南港フェリーターミナルは、ニュートラム南港ポートタウン線のフェリーターミナル駅と直結。鉄道からのアクセス性では国内一の立地です。一方の東予港は、西条付近に開かれた港。フェリーターミナルへは、予讃線の壬生川駅、新居浜駅などから無料連絡バス、松山駅から有料連絡バスが出ています。所要時間は、壬生川駅から約10分、新居浜駅から約1時間、松山駅から約1時間30分です。

東予港行きのオレンジフェリーは、大阪南港を22:00に出港。乗り継ぎを考慮すると、大阪駅に20:00頃に到着している必要があります。この時刻ならば、普通列車のみでの移動でも、東京駅を10:00頃に出発する東海道本線に乗車すれば間に合います。金沢や高崎・宇都宮、あるいは首都圏から中央本線経由でのアクセスも可能です。下船後は、無料連絡バスの乗車で新居浜駅に6:55着、壬生川駅に7:10着。列車に乗り継ぐと、松山駅には9:15に到着します。

関西圏から見た四国は、徳島や高松へは瀬戸大橋線や高速バス、南海フェリーなどの手段がある一方で、愛媛や高知といった四国西部・南部へのアクセスは良好ではありません。そんな中で大阪と愛媛を結ぶオレンジフェリーは、予土線や土佐くろしお鉄道などが走る四国西部へ訪れるのに重宝しそうです。なお、オレンジフェリーでは8月25日から、新造船「おれんじ えひめ」を運航します。全室が個室となり、居住性が向上したという新造船。オレンジフェリーの魅力がさらに増しそうです。

新造船「おれんじ えひめ」のエントランス。船内は船室がすべて個室に(提供:四国開発フェリー)
新造船「おれんじ えひめ」のエントランス。船内は船室がすべて個室に(提供:四国開発フェリー)
運航時刻(8月24日発まで)
大阪南港(22:00発)~東予港(翌6:00着)
東予港(22:30発)~大阪南港(翌6:10着)
運賃
2等指定:5,810円
2等寝台:6,840円
1等室:8,890円
主な割引:学生割引、往復割引

老舗ながらのおもてなし 阪九フェリー

四国オレンジフェリーと同じく、瀬戸内海の航路を持つ阪九フェリー。1968年に日本初の長距離カーフェリーとして就航し、競合が激しい瀬戸内海航路において50年間も運航を続けてきた、まさにフェリー業界のけん引者です。阪九フェリーは、泉大津・神戸~新門司間の2航路を各1往復運航。関西~九州間を含む移動に活用できる航路設定です。

阪九フェリーが運航するのは、泉大津~新門司航路が「いずみ」「ひびき」、神戸~新門司航路が「やまと」「つくし」。それぞれ同型の姉妹船で、航路ごとに基本サービスは揃えられています。いずみ・ひびきでは、二段ベッドを発展させた形の「スタンダード・洋室」や、大広間タイプの「スタンダード・和室」がリーズナブル。少し上の等級である「デラックス洋室・4人部屋」や「デラックス・シングル」も、他フェリーに比べ乗りやすい値段設定となっています。

泉大津~新門司航路に就航する「いずみ」(提供:阪九フェリー)
泉大津~新門司航路に就航する「いずみ」(提供:阪九フェリー)

神戸~新門司航路のやまと・つくしでは、大広間タイプの2等自由席をはじめ、個室となる2等指定Aや二段ベッドの2等指定Bが設定。泉大津航路と異なり、リーズナブル帯は大広間タイプの船室が中心です。

神戸~新門司航路に就航する「やまと」(提供:阪九フェリー)
神戸~新門司航路に就航する「やまと」(提供:阪九フェリー)

パブリックスペースとしては、長距離フェリーでは標準装備の大浴場や、カフェテリアタイプのレストラン、カラオケルームを設置。また、いずみ・ひびきのみの特徴として、大浴場に隣接した露天風呂や、客室最前部に設置された展望ルームがあります。明石海峡大橋や瀬戸大橋、点在する島々を、さまざまな視点から展望することができる設備です。また、エントランスに設けられた売店では、船内で焼いた焼きたてパンを早朝に販売しています。レストランでの食事に力を入れるフェリーは多いですが、焼きたてパンに力を入れているのは阪九フェリーだけではないでしょうか。

いずみ・ひびきの展望ルーム(提供:阪九フェリー)
いずみ・ひびきの展望ルーム(提供:阪九フェリー)
いずみ・ひびきの露天風呂(提供:阪九フェリー)
いずみ・ひびきの露天風呂(提供:阪九フェリー)

阪九フェリーが発着する各港へは、船の発着にあわせて運行されるシャトルバスでの連絡です。泉大津港へは阪和線の和泉府中駅などから、神戸港へは各線の住吉駅などからシャトルバスに乗車。こちらのシャトルバスは全区間乗車すると有料となりますが、南海線の泉大津駅とターミナル、六甲ライナーのアイランド北口駅とターミナルの間は無料で利用できます。新門司港へは、小倉駅から門司駅経由のシャトルバスが運行されており、こちらは無料です。

泉大津ターミナル(提供:阪九フェリー)
泉大津ターミナル(提供:阪九フェリー)
神戸ターミナル(提供:阪九フェリー)
神戸ターミナル(提供:阪九フェリー)
新門司ターミナル(泉大津行きターミナル)(提供:阪九フェリー)
新門司ターミナル(泉大津行きターミナル)(提供:阪九フェリー)

泉大津発着の航路に乗船する場合は、泉大津から乗船の場合は大阪に15:00頃、新門司から乗船の場合は門司駅に16:00頃に到着している必要があります。下り方面では東京駅5:20発の東海道本線、金沢駅9:30発の北陸本線などから乗り継ぎが可能。上り方面では、八代駅11:36発の鹿児島本線や佐世保駅9:36発の佐世保線など、九州北部の多くの駅から到達が可能です。

神戸発着の航路では、泉大津航路よりも出発時刻が遅いため、18:30出港の場合は神戸、門司ともに17:00頃、20:00出港の場合は18:30頃に待機していればOK。東京駅からは6:30発の列車に、熊本駅からは12:48発の列車に乗車すれば間に合います。到着時刻も曜日によって異なりますが、関東方面や九州南部へは十分に到達できる時刻です。

2つの航路を運航する阪九フェリー。出港時刻は早めですが、そのぶん入港も早め。体をゆっくり休め、翌日朝からの移動に備えることができます。明石海峡大橋や周防灘に見送られ、朝は焼きたてパンの香りで目を覚ます、そんな旅の一ページはいかがでしょうか。

運航時刻
泉大津~新門司航路
泉大津港(17:30発)~新門司港(翌6:00着)
新門司港(17:30発)~泉大津港(翌6:00着)
 
神戸~新門司航路
神戸港(18:30発、金~日曜発は20:00発)~新門司港(翌7:00着、金~日曜発は翌8:30着)
新門司港(18:40発、金~日曜発は20:00発)~神戸港(翌7:10着、金~日曜発は翌8:30着)
運賃(泉大津~新門司航路)
スタンダード・和室:6,680円~
スタンダード・洋室:7,710円~
デラックス・洋室:9,770円~
デラックス・シングル:11,310円~
運賃(神戸~新門司航路)
2等:6,680円~
2等指定B:9,250円~
2等指定A:10,790円~
主な割引:インターネット割引、早期購入割引、学生割引、復路割引

乗船前~乗船後

フェリーへの乗船には、もちろん乗船券の購入が必要です。乗船券は各フェリーターミナルでも購入できますが、繁忙期には早い段階で船室が埋まり、希望する船室に乗れない、あるいは全室発売済みで乗船もできない、といったことが考えられます。予定が決まり次第、予約購入するのが吉です。購入は電話や旅行代理店でも可能ですが、現在はインターネットでの発売が主流。ネット発券ならば10%程度の割引が受けられる事業者も多いのでオススメです。

乗船の際は、鉄道やバスとは異なり、事前に飛行機のチェックインのような手続きが必要となることがあります。かつての中長距離航路では、乗船前に乗船名簿への名前や住所、連絡先の記入が必須でした。現在はインターネットの普及により、ネットでの手続きが完了していれば、乗船券を引き換えるのみ、あるいは乗船口まで直接出向けばOK,という取り扱いが多くなっています。しかしながら、不慮の事態の発生に備え、出港の60分前には乗船ターミナルに到着している予定を組むのが望ましいでしょう。

また、船で心配になるのが船酔い。近年の大型客船では、フィンスタビライザーと呼ばれる揺れ軽減装置が搭載されていることが多く、多少海が荒れていても不快な揺れを軽減してくれます。しかしながら、大幅な天候悪化時の揺れまでは防げません。晴天時や瀬戸内海などの内海では大きく揺れることは多くありませんが、不安なら酔い止め薬を持参しましょう。

乗船後は長い時間を船内で過ごすことになる中長距離フェリー。船内の楽しみの一つといえば食事です。ほとんどの大型フェリーにはレストランがあり、各船の料理長が腕を振るった料理が提供されます。お菓子やお土産を扱う売店もあり、小腹が空いた時も安心です。また、船の中の大浴場も楽しみの一つ。一部の船には露天風呂が設置されており、湯船に浸かりながら大海原や星空を眺められます。このほか、ゲームコーナーやスポーツコーナーを設置した船も。各船で違う設備を乗り比べて確かめるのも、クルーズの楽しみです。

吹き抜けとなったエントランスや大浴場といった設備は、他の乗り物ではお目にかかれないもの。船内のレストランで舌鼓を打ったり、屋外のデッキに出て大海原や水平線に沈む夕日を眺めたりなど、船には特別な楽しみがあります。青春18きっぷとあわせて、リーズナブルに時間を有効活用できる船旅、いかがでしょうか?

画像協力(順不同) 津軽海峡フェリー 新日本海フェリー 太平洋フェリー 四国開発フェリー 阪九フェリー

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