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新車両リポート

787系が黒くなってリニューアル JR九州の「36ぷらす3」登場

2020年9月29日(火) 鉄道コムスタッフ 西中悠基

他の車両も既存デザインから一新

2号車は、4~6人用個室を3室設置。さらに車いす対応座席を1室設けています。

2号車の4~6人用個室
2号車の4~6人用個室

車いすに対応した個室は、窓を向いた座席を2席設置。車いす利用者の予約が無い場合は共用スペースとなるということです。

座席を設置した車いす対応個室
座席を設置した車いす対応個室

3号車は、1~2人用個室とビュッフェを設置した車両。ビュッフェは、1992年に787系が「つばめ」でデビューした際に設置されていた設備が蘇ったもの。2003年に廃止され普通席へと改造されて以来、約17年ぶりの復活となりました。

3号車に設置されたビュッフェ
3号車に設置されたビュッフェ

普通席に改造されてからも残っていたドーム天井を活かしたビュッフェは、床や壁に銅板を使用。「明るくモダンな空間」になったとしています。また、室内にはリーチイン冷蔵庫を設置し、飲食物を選べるようになっています。

同じく3号車に設置されている個室は、4人用だったセミコンパートメントを2人用としたもの。部屋を仕切るガラス壁などのデザインは、そのまま活かされています。

同じく3号車に設置されている2人用個室
同じく3号車に設置されている2人用個室
4人用のセミコンパートメントから2人用としたことにより、従来よりもゆったりとした空間となりました
4人用のセミコンパートメントから2人用としたことにより、従来よりもゆったりとした空間となりました

4号車は「マルチカー」。1両全てがラウンジとなっています。体験メニューや車内イベントで活用するほか、組子の裏に配置されたモニターで、沿線の動画などを放映する予定だといいます。

4号車のマルチカー
4号車のマルチカー
車端部に設置された大きな組子。裏には……
車端部に設置された大きな組子。裏には……
大型のモニターが設置されています
大型のモニターが設置されています

車端部には、車内イベントや飲食物の販売などで活用するというミニカウンターが設置されちえます。

4号車に設置されたミニカウンター
4号車に設置されたミニカウンター

5号車は、2+1列のリクライニングシートを配置した車両。従来よりも1列減らすことで、ゆったりとした空間となっています。

2+1列でリクライニングシートを配置した5号車
2+1列でリクライニングシートを配置した5号車

座席は800系のものをベースとしたということ。テーブルは折りたたみ式の大型タイプとなっており、食事時に使いやすいよう配慮されています。また、背面には革製のポケットを設置しており、多目的に使用できるように。この革製のポケット、鉄道車両では初採用だということです。

800系のものをベースにしたという座席
800系のものをベースにしたという座席
食事の際の利用を考慮した、折りたたみ式の大型テーブル(画像は6号車のもの)
食事の際の利用を考慮した、折りたたみ式の大型テーブル(画像は6号車のもの)
鉄道車両では初採用だという革製の背面ポケット(画像は6号車のもの)
鉄道車両では初採用だという革製の背面ポケット(画像は6号車のもの)

荷物棚は、飛行機のような蓋つきの既存品を再利用。頭上のほか、車端部にも収納スペースを設置しており、大きな荷物にも対応しています。

荷物棚は従来の蓋つきタイプを再利用
荷物棚は従来の蓋つきタイプを再利用

6号車も、5号車と同じく2+1列の座席を配置した車両。床は畳敷きで、5号車とは差別化されています。

畳敷きの空間に2+1列でリクライニングシートを配置した6号車
畳敷きの空間に2+1列でリクライニングシートを配置した6号車
畳敷きということで、客室入り口には下駄箱が設置されています
畳敷きということで、客室入り口には下駄箱が設置されています

車両のイメージにあわせた制服

あわせて、36ぷらす3に乗務する車掌および客室乗務員の制服も、報道陣に初披露されました。デザインは車両と同じく水戸岡さんが担当。車両の外観にあわせ、全体イメージの黒と金色をアクセントとして配したということです。

車両の外観にあわせ、黒と金色をアクセントとして配した車掌・客室乗務員の制服
車両の外観にあわせ、黒と金色をアクセントとして配した車掌・客室乗務員の制服

なお、36ぷらす3に乗務する車掌は、「ゆふいんの森」などのD&S列車を担当できる博多車掌区の選抜乗務員から、さらに選抜されたメンバー15人と、精鋭中の精鋭だということです。

青柳社長は、36ぷらす3のプロジェクトは「ななつ星や新幹線よりも難しかった」と述懐。さらに「最初の経営会議で却下された」と驚きの事実を話しました。当初はコンセプトが具体的ではなく、「何をしたいのかわからなかった」のが原因だそう。しかし、そこから2年半をかけて、ようやくこの車両が実現。この36ぷらす3をとっかかりとし、「九州の魅力を世界に発信していきたい」と、青柳社長は話していました。

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