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半蔵門線を走る東京メトロ8000系 過去には東西線での活躍も

2020年8月28日(金) 鉄道コムスタッフ

押上と渋谷を結ぶ東京メトロ半蔵門線。この路線用の車両として、東京メトロの前身である帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が導入したのが、営団8000系です。

半蔵門線用の8000系
半蔵門線用の8000系

都心を走る9番目の地下鉄である半蔵門線は、1978年に渋谷~青山一丁目間が開業。同時に東急新玉川線(現在の田園都市線)との相互直通運転を開始しました。ただし、この時点では営団側の営業区間が短く、営団が車両を投入するよりも東急から借り入れる形を取った方がコスト面で有利なため、車両は全て東急から乗り入れる形で運転することに。8000系の営業運転開始は、半蔵門線開業から3年が経った1981年のことでした。

営団では、1968年に千代田線用の6000系を製造しており、1974年には6000系をモデルとした7000系を、有楽町線用に投入していました。続く8000系でも、6000系や7000系をベースとした設計としましたが、外観は両形式を進化させた形状となりました。

車体は6000系と同じアルミ製。先頭部では正面左側に非常用貫通扉を配置する設計など、基本的な配置も6000系から引き継いでいます。ただし、6000系・7000系では丸型だった前照灯は、尾灯と統合し角型に。正面上部の行先・種別表示機部分は黒塗りとなり、1979年登場の国鉄201系のような、当時流行し始めた「ブラックフェイス」に近いデザインを取り入れ、営団の先行形式とは異なる印象となりました。

また、運転席ではワンハンドルマスコンを採用。機器類の動作状況を表示するモニタ装置も搭載しました。これらはいずれも営団初の装備品となりました。また、旅客用車両としては日本で初めて本格的に「ボルスタレス台車」を導入したのも8000系。枕梁を省略し、軽量化を実現したボルスタレス台車は、一時期は営団地下鉄の車両で広く採用されたほか、現在ではJRなどの他事業者でも大々的に用いられています。

8000系は、半蔵門線の永田町~半蔵門間延伸開業に1年先立つ1981年に、営業運転を開始。当初は8両編成と6両編成がそれぞれ3本製造されましたが、翌年には全編成が8両編成となりました。

1987年には、半蔵門線用ではなく、東西線に投入される車両として、8000系10両編成3本が製造されました。これは東西線用の05系登場までのつなぎとしての導入で、帯色は半蔵門線と同じパープルのままと暫定的な姿。本来の新型車両である05系が1988年に登場すると、8000系は本来の半蔵門線へと転用されました。

8000系の編成単位での製造は、1990年に終了。この時点では、8両編成が7本、10両編成が12本の在籍でした。さらに8両編成も10両編成へ増強するため、1994年に7本分の中間車が増備され、8000系は全19本が10両編成となりました。

1994年に増備された中間車は、当時製造が進められていた新型車両に準じた設計に。車体は05系や9000系に準じたものとなり、内装も9000系をベースとしたものとなりました。従来の8000系と増備中間車は、車体裾の長さが異なるなど、外からは比較的容易に判別することができます。

8000系の初期製造車(左)と1994年の増備車(右)。車体裾の長さや窓の寸法などに違いがあります
8000系の初期製造車(左)と1994年の増備車(右)。車体裾の長さや窓の寸法などに違いがあります

半蔵門線や東急線、2003年以降は東武線で活躍してきた8000系。製造から約20年が経過した2000年代からは、更新工事も始まりました。

しかしながら、8000系もまもなく製造から30年を迎えます。東京メトロではこの8000系を置き換えるため、2021年度以降に18000系を導入すると、東京メトログループ中期経営計画「東京メトロプラン2021」にて発表しています。

2021年度以降に投入される予定の18000系(イメージ)
2021年度以降に投入される予定の18000系(イメージ)

半蔵門線や東急線、東武線での通勤ラッシュを支え、一時は東西線でも活躍した8000系。引退に向けたカウントダウンが始まっています。

 

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