大井川鐵道の鳥塚亮社長は、旧「SLやまぐち号」の12系客車など、使用していない客車の譲渡を計画していると、自身のブログにて発表しました。

「SLやまぐち号」は、JR西日本が山口線で運転しているSL列車。12系客車は2017年まで使用されていましたが、同年に導入された新型の35系によって置き換えられ、引退していました。

大井川鐵道では、観光列車の冷房化や旧型客車の置き換えを目的として、「SLやまぐち号」用の12系客車を2018年に譲受していました。しかし、コロナ禍のほか、2022年の台風による家山~千頭間の不通(うち家山~川根温泉笹間渡間は2023年に復旧)といった障害が発生したことで、12系は現在も使用できないままになっているといいます。
鳥塚社長は、12系について、車体もかなり傷んできており、部品などの盗難も発生して運行のための整備には多額の費用が見込まれることから、「有効活用していただける一般の皆様方へ向けて、車両本体を売却することになりました」と説明しています。販売予定の12系は、オハ12-701、オハ12-702、オハ12-703、スハフ12-702の4両です。
売却条件は、「車両本体ごと引き取ること」「車両を搬入し設置できるスペースを所有していること」。また、部品取りなど、一部のみの譲渡はしないとしています。用途としては、レストランや書庫、会議室などを例に挙げており、鉄道事業者が使用する場合には車両整備などの相談にも応じるとのことです。価格は応相談ですが、1両あたり100~150万円(輸送費別)とのこと。同社では、購入希望者を対象に、6月7日に事前申込制・有料の説明会を開催するとしています。
【5月19日18時34分:売却対象を追記しました】